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「マジ会社のクソ上司ダルいんだけど。営業ならパソコンの使い方くらい知ってろっつーの！」
「コピペ知らないのはほんとやばいよね。それで私らより給料上とか」
「ほんとそれ」
「あぁ…握手会落選した。CD50枚買って応募したのに…うぅこんな事なら出会わなければよかった」
「……ぇ、何あいつキモイんだけど笑」
人の通りの多い中では聞く気はなくとも周りの声は自然と耳に入ってくる。たわいない話しから苛立ちや悲しみ妬みなどの負の感情のこもった言葉まで聞こえてくる
呪術師である恵は、昼間だとしても浮遊する蝿頭や人のように紛れている自縛霊らしきものもその目に映っている
悪さをしないのであれば放っておく方が平和なこともあるので見えていないふりをしているのだが、それらは全て、ある一点を見つめているのだ
「じゃあ行こうかーA。お花見は出来なかったから葉桜見に行こうねー。今日は僕お弁当作ってあります！」
「お弁当、楽しみ」
楽しそうに話をする五条も、歪に片手をあげる事がままある
傍目から見たら不可思議な行動だろうが、恵からは近づいてくる蝿頭を滅しているという事が見えている
「……Aに引き寄せられてる？」
蝿頭にもなりきれないその場に留まる呪力は人波の流れの先にAがいるとAに吸収されているように見えるのだ。そしてそれに比例してAの呪力が増していく
微力な呪力だから、そこまでの力にはなっていないようだがその様子は
でも五条は警戒してる様子もなくむしろリラックスしてるようにも見える。ただの平凡な休日を楽しもうとしている
『おい、Aヲ見失う！早ク歩け』
「……分かってるよ」
ぬいぐるみに急かされるのは癪だが、ここで立ち止まって1人考えてても答えは出ないので目立つ背中を追いかける
「恵ー遅いぞー」
クレープを買うためにわざわざ竹下通り口から遠回りをしてようやく公園口の改札前の信号前に辿り着いた。そこで待ってた五条とAがこちらに顔を向けていた
「……」
恵と視線が合いそうになって、Aは不自然なほど自然にその視線を逸らす
敵意も悪意も感じられない
でも、僅かな拒絶が見て取れる
それに僅かに胸が痛むのは
何故だろうか
2016年
Aの人生の中で最も平穏だっただろう時間
あたたかい彩りのある日々は
Aにとって、必要だったのだろうか
永遠などありはしないのに
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みけいぬこ(プロフ) - バナナプリンさん» コメントありがとうございます！楽しみにしていただけて嬉しいです。また読みにきていただけたら更に嬉しいです(∗ˊ꒵ˋ∗) (1月22日 7時) (
レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
バナナプリン - めっちゃ好きです！！設定とか物語すごく凝っててすごいですね！！これからどうなっていくのかすごい楽しみです！！🍌🍮 (1月21日 0時) (レス) @page10 id: 2d27e83292 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2024年1月19日 10時
