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『一人称“俺“はやめておいた方がいい特に目上の人の前ではね。“私“最低でも“僕“にしな』
頭の奥でそう窘めてくる声がした
「……うるせぇな。いちいち出てくんな」
高専に続く長い石造りの道を歩きながら五条は独り言をこぼす
一人のはずなのにすぐ隣から『やりすぎたね』と声が聞こえた気がした
「……あのクソ狸達にAを利用されるなんてゴメンだね」
一人外へ続く鳥居に向かいながらいるはずのないら傍らにそう言葉を漏らす
返ってくる言葉なんてありはしないのに
もしそこにいるのならきっと自分のこの言葉に同意を返してくれるだろうなと思う
自身の行いが間違いではないと、たとえ間違いだとしてもそれを結果最高に転ずることが可能だと
＿＿いいかい悟、術師は非術師を守るためにある
冬の凩が吹きすさび五条の頬を流れてく
乾いたその音が妙によく響いた
そんな事当たり前だろと鼻で笑ったあの日
＿＿非術師の居ない 術師の楽園を築く
いつまでも消えない
冷たい、悲しそうなその声に
あの日言えなかった言葉を伝えたい
当たり前の枠の外に出てしまったあいつを止められなかった
「…俺は、術師だけの世界なんて作らせねぇからな」
その命は無価値じゃない
等しくもないだろうけれど
一つ一つに意味がある
命の線引きは誰がする
その線引きはどこに引く
それを決めるのはお前じゃない
「っあ〜……早くAに会いたい、いまめっちゃ抱きしめたい気分」
この腕に抱きしめて
その熱を全身で感じたい
そのあたたかさが生きてる者のぬくもりだ
それを忘れなければ、自分は違えることはない
守るものを見失ったりはしない
「たっだいま〜」
『うわ、帰っテきた』
「うわ…なんで冥さんいるの？」
「ふふふ、随分な言いようだね。五条くん」
「きっとAを使って金儲けするつもりなんだ」
「パンダくん人聞きが悪いな。そんな事したら五条くんに殺されちゃうだろ？上手く使うさ」
「…本人の前でそういうこと言うのやめてくれません？」
「五条」
賑やかな中でもダイレクトに聞こえる声に五条は包帯越しにそちらを見やる
綺麗な赤い瞳がじっとこちらを見つめていた
「おかえりなさい」
「ただいま、おいで」
両の手を広げればゆっくりと近づいてきてすぽりとおさまる小さな体
命のあたたかみを噛みしめるよう抱きしめた
．
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みけいぬこ(プロフ) - バナナプリンさん» コメントありがとうございます！楽しみにしていただけて嬉しいです。また読みにきていただけたら更に嬉しいです(∗ˊ꒵ˋ∗) (1月22日 7時) (
レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
バナナプリン - めっちゃ好きです！！設定とか物語すごく凝っててすごいですね！！これからどうなっていくのかすごい楽しみです！！🍌🍮 (1月21日 0時) (レス) @page10 id: 2d27e83292 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2024年1月19日 10時
