【呪術廻戦】奈落の胎から

2015.12.30 ページ40

「……」

五条が帰ってこない

どれくらい来てないのか分からなくて

七海に聞いたら“5日目“だって教えてくれた

それがどれくらい長いのか分からないけれど

僕は長いと思った




「ちょうどいいので、時間の勉強をしましょう」

「じかん？」

「難しくしようとすればいくらでもできる言葉ですのであくまで日常的に用いる意味を伝えます。詳しく知りたくなったら自分で調べてください」

「はい」

「時間とは時の流れを測る物差しであり、その物差しをより視覚化したものが時刻です」



時の流れとはなんだろうと思ったAだが、「君が五条さんが帰ってこない日から今日までがどれくらいかを私に聞きました。それが時の流れです。そして、時刻とは別の物差しの単位です」と言った


「じこく、は何？」

「時刻は今この時、もしくは未来のどこか。一瞬の点を指すことが多いです。時はじ時・分・秒で表されその基準は秒です」

「秒……」



七海は最初の秒は1だと言った

その次は2そして3と続いて言ってそれは無限に続くものだと

それではキリがないので区切りをつけるために60で1分とした

1分も無限に続くので同じように60で区切りをつけて1時間とした

1時間も無限に続くからそれは24で区切りをつけて1日とした



「なんで24なの？60じゃだめなの？」

「正確には12の区切りで日が昇ってる時間と日が落ちている時間の合計が24です。これは月の満ち欠けの周期と太陽が深く関わってきますのでそれは追追」


初めて聞く太陽と月は想像が全くつかなかった

ここは月も太陽もない空間だから分かりにくいと七海は言う

それでも人は24時間を一日としてその中で生活をするのだという



「夜は暗くて寝る時間……じゃあ今は寝る時間？」

「今は16時28分を過ぎた所なので夕方。これから夜になるので寝る時間に近づいていきますね」

「寝て、起きても五条が帰ってこなかったら…6日」

「そういうことです」



今まで時間という感覚がなかったAにとって細かい区切りはまだあまりぴんとはきてない様子

ただ、寝て起きてが一日と言うこと

それが長いという実感はあるようだ




「どうして、帰ってこないんだろう」

「……」



そして、ここで過ごす“日々“の中で自身が大きく成長している事には

実感があるのだろうか




五条をまねて、七海はAの頭をそっと優しく撫でてみる

その寂しさが少しでも埋まればいいのにと思いを込めて






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