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ページ30

「ただいま、A。学長にいじめられなかった?」

「おかえりなさい、五条。夜蛾はやさしいよ」

「そっか〜!Aは良い子だね」



澄んだ瞳を向けてくるAの頭を優しく撫でてあげる

それをするとAは僅かに目を細めてされるがままになる

はじめは何をしてもされるがままだったが、最近は少し目を細めて

嬉しそうにしてるように見える


「(ま、Aからそう言われたわけじゃないから勝手な思い込みなんだけどね)」


でも、それは間違いじゃないとも思っている

少しずつ、Aは感情というものを表に出してくるようになった

無意識に漏れはじめている、がきっと正解



「今日はさ屋台出てたから色々買ってきたんだよね〜焼きそばにたこ焼き。あとは見てコレ!和牛ステーキ串!1本1000円!」



買ってきた食べ物を広げ物珍しそうに見つめるA

香ばしいソースの匂いにAの腹の虫が小さく鳴った



「…五条、やたい。は何?」

「ん〜難しい質問だな。外にある店?簡易的な移動出来て限定的な飲食店かな?」

「?店は何」

「そうきたか…店は物を売る場所というかえー説明めんどくさ」

「…こまる?ごめんなさい」

「あーいいのいいの。Aが悪いんじゃないから」



僅かに視線を下げるAの頭をくしゃりと撫でてやる
この空間に溶けてしまいそうな真っ黒な髪
自分と正反対なその色
五条はそれが中々に好きだった

「今度一緒に行こう、見た方が早い」

「…行く?」

「そ。今は自然発生する呪いが多いから別日に。正のエネルギーが増える時期に外に出してあげる」



これは、前々から五条が考えていた事だ
正確には初めからだが


「Aに、世界を見せてあげるよ」




Aを殺さず生かすと決めた日から

この小さな檻の中で一生を過ごさせる気は毛頭なかった


ここに押し込められてることに疑問すら感じていないAはこてんと不思議そうに首を傾げる
和牛ステーキ串を1本手に取り豪快に一口齧り付いて五条はニヤリと笑みを浮かべた



「安心して。僕がいればAはもう怖がられたりしないよ。何でも叶えてあげる」

「…」






邪気なんて全く感じられない澄んだ赤い瞳

この世のどの赤よりも綺麗だと五条は思う

この空間には呪力が一切ない

淀みも醜い何もかもが存在しない澄んだ空間

その中心にいるのがA

この子の笑顔がみたい





君を愛すから、君もいつか愛せるように

人を、物を、そして世界を








.

2015.11.25→←2015.8.7



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設定タグ:呪術廻戦 , 男主 , 五条悟   
作品ジャンル:アニメ
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みけいぬこ(プロフ) - バナナプリンさん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただけて嬉しいです。また読みにきていただけたら更に嬉しいです(∗ˊ꒵ˋ∗) (1月22日 7時) (レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
バナナプリン - めっちゃ好きです!!設定とか物語すごく凝っててすごいですね!!これからどうなっていくのかすごい楽しみです!!🍌🍮 (1月21日 0時) (レス) @page10 id: 2d27e83292 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みけいぬこ | 作成日時:2024年1月19日 10時

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