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「ナナミンもお疲れ、子守りありがとね!Aーー!ただいまーっ!」
はしゃぐJKのように甲高い(男の声なのでいささか気持ち悪い)声を上げてタックルするかのように五条はAの元に駆け寄り抱き上げ頬ずりをする
されるがままのAは簡単に五条に抱かれその熱い抱擁を受け入れる
『ゴジョウ!Aから離れろ!』
「やーだね。今感動の再会ごっこしてんだから邪魔すんな!」
「なんだそれ」
「あ、パンダいたの」
パンダから五条に攻撃の対象を変えたピーティだが、足元をペちペちと蔓で殴っても五条には無限領域があるから届いているようで届いていない
痛くも痒くもないから無視される様子をパンダは暫く眺めて、その無謀さに可愛そうになってそっと肩を撫でてあげた
「お前も大変なんだな」
『…ウゥ、悲しい』
さっきまでいがみ合っていたのに抱き合う呪骸二体
その様子を眺めながらAはふいと視線を横に向ける
「…」
視界いっぱいに白が映る
そしてここ最近覚えた人の匂い
少し圧迫が消えると黒い大きい目、だと思っていたサングラスが見えて
その奥に丸い瞳が見える
「ただいま、A」
「おかえりなさい、五条」
「よく出来ました!偉いね!」
ただいま、と言われておかえりなさいと返すと
五条はこうやって力を入れて偉いねと言ってくれる
締めつけられるのは少し苦しいけれど
あったかい
「そうだ、今日はこどもの日なんだよ〜だから買ってきました!」
Aを片手で軽々と抱いてどこに持っていたのか五条はAの頭に兜を、手にはおもちゃの鯉のぼりを持たせ柏餅をAに見せた
「今日はね。こどもの健やかな成長を願う日なんだよ」
「こども?」
「そう、Aはまだこどもだからね。これからもっと成長して大きくなれるようにって」
「大きく、…は五条?」
「そう!正解!大正解!僕みたいに大きくなろうねー」
ギュッと力強く抱きしめる五条は傍から見たら親バカのようにも見える
「全く、あの兜はどこから持ってきたんだ」
「どこに片付けるんでしょうね」
呆れた溜息を零す七海
その隣の夜蛾も呆れる気持ちはあるのだが、それよりも僅かにAの瞳が輝いているから溜息は飲み込んだ
Aを匿い、処刑を断固拒否する事を面白くないと思う上の連中はせめてもの腹いせにと五条に多く呪霊の討伐任務を押し付けている
五条でなくともすむ案件も全て五条に流し、五条はそれを甘んじて受け入れ全てこなしている
『これくらいでAの青春が守れるなら安いもんっしょ』
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みけいぬこ(プロフ) - バナナプリンさん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただけて嬉しいです。また読みにきていただけたら更に嬉しいです(∗ˊ꒵ˋ∗) (1月22日 7時) (レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
バナナプリン - めっちゃ好きです!!設定とか物語すごく凝っててすごいですね!!これからどうなっていくのかすごい楽しみです!!🍌🍮 (1月21日 0時) (レス) @page10 id: 2d27e83292 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みけいぬこ | 作成日時:2024年1月19日 10時