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ガチャ＿
「坊っちゃま、朝食をおもちしました」
広い、齢7つの子供が一人で過ごすには広すぎる部屋に一人の女が入ってくる
部屋の中にいる子供のことを“坊っちゃま“と呼び上質なトレーに載せられた食事を部屋の真ん中にあるテーブルにガシャンと音を立てて置く
安物ではなさそうな皿はどれもくすみ所々欠けている
お皿に盛られてる食事からは温かみを一切感じず、どこかプラスチックのような硬質さ
「本日はおすしにハンバーグ、お野菜に人参と白菜を用意してます。デザートはみかんをどうぞ。おやつにはあんぱんをおいておきます」
淡々とそう話す女の瞳は虚ろで床をただ見つめる
髪はパサつき化粧もしておらず、着ているメイド服だろうそれは所々赤く汚れていた
「……ぁ、りがと…ございま、す」
天蓋付きの豪華なベッドからか細い声が聞こえた
幼い、拙さのあるその声に女はビクリと肩を震わせる
正確には声にではなく、その視線の先だ
「ぁ、ァｱﾘｶﾞとぉお…久、子ひさひさ、ヒｻ子ぉぉお」
「ヒッ…！」
覗き込んでくる巨大な双眸
ギョロリと瞼の中で一回転すると獣の様な鋭い瞳孔が一度丸くなりまた鋭さを増す
鼻はなく口だろう部分にある牙が剥き出しになり人とも獣とも思えない大きさで、その大口を開けて多くを飲み込んでいく様を何度も見てきた
到底人とは思えない黒い禍々しいものを飲み込みその腹に収める姿は化け物そのもの
「ァリガトｵｵｫ」
ただ、その声だけが聞き覚えのある声だから恐ろしい
7年前に亡くなったはずのこの家の奥方
仕えていた主人の声
足早に部屋を出て静かな屋敷の廊下を突き進む
ここに他に人の気配はない
先日また1人、首を落とされた
子供の食事に毒を入れて殺そうとしたからだ
もうその光景を何度見てきたことだろう
どこに逃げてもあの化け物はこの屋敷の人間を必ず連れ戻した
子供を生かすために
ただ、子供に敵意を向けると襲ってくる
逃げる事も倒す事もできない日々に耐えきれず自 殺した者もいる
子供に敵意を向けなくとも
何処から湧いてくるのか
別の黒い化け物に取り込まれ食われた者もいる
ここは呪われた鹿山家の屋敷
化け物の棲む家
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みけいぬこ(プロフ) - バナナプリンさん» コメントありがとうございます！楽しみにしていただけて嬉しいです。また読みにきていただけたら更に嬉しいです(∗ˊ꒵ˋ∗) (1月22日 7時) (
レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
バナナプリン - めっちゃ好きです！！設定とか物語すごく凝っててすごいですね！！これからどうなっていくのかすごい楽しみです！！🍌🍮 (1月21日 0時) (レス) @page10 id: 2d27e83292 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2024年1月19日 10時
