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何か大きな不幸や災害があったわけではないのに蛆のように呪霊が沸く
それはほとんどが蝿頭で呪いが折り重なった直後の様な脆い弱いものばかり
ただ、淡い光に群がる蛾のように甘い蜜に引き寄せられる蟻のように
一つの場所に向かってくる
「雑魚すぎてやりずらいっ！つーかめんどくせぇ！」
「口動かしてないで祓ってください」
「やってるだろ！」
鉈を振り回し七海は背中越しにそう五条に言ってまた一体、呪霊を斬る
五条はその場にたっているだけのように見えるのだが五条を中心とした一定距離内に触れる蝿頭は尽く弾かれ消失していっている
無下限呪術の無限領域を広げていて、その呪力にすら耐えられない雑魚達をもうかれこれ何時間と祓い続けている
普段ならこれくらいの雑魚は祓わず放置しておくのだがそれらが寄り集まって2級呪霊になられても面倒なので仕方ない
今年の1年生も狩りだしているのだがキリがなさそうだ
「Aをどうにかしないとダメか…」
五条の術式に他者の呪力に介入できるような性質のものはない
延々とその器に受け入れ続ける特性なのであればそれを結界術で覆ってしまうか放出させてやるか
「結界術も呪力です…それそのものを吸収されてしまえば意味がありませんッ」
「そうなんだよなぁ…でも硝子の反転術式は使えてるんだ。術式となった呪力は吸収できないとみていいと思うんだけどさ、ななみんどう思う？」
「ッ……それが可能だったとして、あの子は生涯結界の外には出れませんよ！」
「……ま、仕方ないんじゃん」
多少の犠牲は付き物
それは五条が常日頃思っていることだ
死なないのであればいいじゃないかと思うのは本音だ
だが、結界の程度によれば完全に外界を遮断することにもなりかねない
そうしたら空の青さも
春の風の暖かさも
梅雨の湿気さも
雪の冷たさも
何も感じられなくなるかもしれない
「……」
それはAを殺したくない理由と矛盾する生かし方だ
「五条！！ボケっとするな！！」
「！」
夜蛾の緊迫した声にハッと顔を上げた
「学長ッ！何か来ます！」
「呪霊を……食って。ヴぇ…」
五条の視線の少し先、名も知らぬ男(学生だろう)が悲鳴を上げて後退り誰かがその場で嘔吐した
その光景は呪霊が呪霊を食う様で、その呪霊に五条は見覚えがあるから驚いた
「な、んで……」
祓ったはずの呪霊がさ迷うようにゆっくりこちらに向かってきていた
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みけいぬこ(プロフ) - バナナプリンさん» コメントありがとうございます！楽しみにしていただけて嬉しいです。また読みにきていただけたら更に嬉しいです(∗ˊ꒵ˋ∗) (1月22日 7時) (
レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
バナナプリン - めっちゃ好きです！！設定とか物語すごく凝っててすごいですね！！これからどうなっていくのかすごい楽しみです！！🍌🍮 (1月21日 0時) (レス) @page10 id: 2d27e83292 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2024年1月19日 10時
