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「そろそろ落ち着いた？」
『はぁ？落ち着いたも何も普通ですけどー』
「一週間も任務に出ずっぱりで？五条が受けなくてもいいものばかり。いつから奉仕活動家になったのかな？」
『……用件はなんだよ』
最強の男と呼ばれる五条悟を黙らせられるのはそう多くない
いつも不遜な態度でどんな人間を前にしても己の主義主張を曲げることがない己の非も正しいと言い続けるようなクズではあるが外道ではない
「あんたが助けたAくんは無事よ。だいぶ衰弱してるけど命に別状はない」
『……あっそ』
そっけない
興味ありませんと言いたげなその言葉の裏に何があるかは腐れ縁ゆえ分かってしまう。そして五条が何故こう距離を置いて、荒れてしまったかは七海からの報告で理解してしまった
「伊地知さん達が念の為瓦礫の中を探してくれてね。地下の管理室は無事だったから各所の監視カメラ映像を見ることができた。学長は7年分みたよ」
『暇人かよ』
「暇だったよ？五条のおかげで」
息をするように普段から悪態をつくそれが今日は仇となる事をもう忘れてしまったのだろうか。電話の向こうで明らかに機嫌が悪くなる様にガキだなと思いながらもそれを言うと面倒だから話を進める
断じて気を使ったわけではない
「天元様から正式にあの子の力は天与呪縛だと通達があった。“空の器“と言うそうよ」
空の器
術式化されていない全ての呪力を受け入れる
満ちることのない器
それは現存空間にはなく、本人の意思に関係なく呪力を受け入れ続ける
その存在すら空想のものと言われていた呪力の塊
「本人には全く自覚がないみたい。そして器は受け入れるだけでその呪力に触れることはできない」
『何それ？宝の持ち腐れじゃん？つうかそれ制御できんの？』
「出来てたら鹿山家はあんな事になってないでしょ。非術師にも呪霊が見えるようになってたみたいだし。7年間隔離されてたみたいよ」
『あーそう、』
「んで制御の点で問題がひとつ」
硝子は電話を右から左に持ち替えてくるりと椅子を回転させて背後を見やる
そこにはベッド寝かされたAの姿が
「際限なく空の器は呪力を受け入れ続ける。でも、子供の彼にはまだ荷が重いみたい…熱が引かないのよ」
何もかもにおいて万能は存在しない
最強と言われる五条悟でも、無下限呪術をフルオートで回し続ける今のスタイルは少し前は出来なかった。順転と反転の応用でなし得たものだ
天与呪縛で力を与えられていても扱い方も制御法も知らないのであれば、それはただの暴走列車だ
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みけいぬこ(プロフ) - バナナプリンさん» コメントありがとうございます！楽しみにしていただけて嬉しいです。また読みにきていただけたら更に嬉しいです(∗ˊ꒵ˋ∗) (1月22日 7時) (
レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
バナナプリン - めっちゃ好きです！！設定とか物語すごく凝っててすごいですね！！これからどうなっていくのかすごい楽しみです！！🍌🍮 (1月21日 0時) (レス) @page10 id: 2d27e83292 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2024年1月19日 10時
