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「で、五条には何も聞かずこの子をただ連れ帰ってきたと?」
「……言葉に刺ないですか」
「それが正解よ。あの
家入の元に子供を連れ帰った七海はその翌日に再び家入のいる医療棟に赴いていた
そこには、昨日はいなかったイカついサングラスをかけた男性が一人
「夜蛾学長、あいつ昨日からずっと出ずっぱり?」
「そうだ。頼んでもいない呪霊祓いを一人でやっている。上は人手不足で溜まってる分をノーリスクで処理してもらえて泣いて喜んでることだろう」
「泣いて、ねぇ。被害が大きくて請求額にまた泣くんじゃない?」
「……」
硝子の言葉に誰も何も言えなかった
そんな現実は今は見たくないのだ
そういうかのように夜蛾はサングラスをかけ直すと話の矛先を別に向けようとベッド近づく
「で、この子が鹿山家のいないはずの子供“A“ということか」
「はい、五条さんからは名前しか聞かされなかったのですが戸籍を調べた所登録はありませんが死亡届は出されていました。死産だったようです。その時に母親も死亡届が」
「死産だった赤ん坊がここに生きてるってことは、隠してたってことね、よくバレなかったわね今まで」
「そこは金の力かと。まぁ、これだけの呪力量…この子の周りは普通ではなかったでしょうね」
3人が見つめる先は虚空を見つめる少年
まるで人形のように動いたり怯えたりすることなくただそこにあるだけだった
赤い瞳は陰りそこに一筋の光も見られなかった
「外傷は特にないわ。ただ、胃にプラスチック片があったからそれは取り出しといたけど」
「……空腹で食べたということか?」
「この様子でそんなこと出来るとは思わないけどね」
どうしようもない窮地に立たされた時人は何をするか分からない。いや、きっと生きるためなら何でもするだろう
と、硝子は思うのだがそこにいる子供からは生への執着や今生きてる安堵など微塵も感じられないのだ
むしろ、どの感情も読み取ることができない
何も感じていない
それが正しいと言えるだろう
「一応、死亡届の提出日から逆算してこの子は今7歳。名を鹿山A。そして、7年前突如現れた呪力の根源ですね」
「他に呪霊はいたのか?」
「いたと思いますが五条さんが全て祓っていました。帳が開けた頃にはもう更地でしたので恐らく、としか」
「全てを知る奴は台風小僧に逆戻り…やっと少し落ち着いたと思ったんだがな」
夜蛾が溜息をこぼす
人類最強と自他ともに認める彼は
心に負った傷をいまだ癒せていないようだ
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みけいぬこ(プロフ) - バナナプリンさん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただけて嬉しいです。また読みにきていただけたら更に嬉しいです(∗ˊ꒵ˋ∗) (1月22日 7時) (レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
バナナプリン - めっちゃ好きです!!設定とか物語すごく凝っててすごいですね!!これからどうなっていくのかすごい楽しみです!!🍌🍮 (1月21日 0時) (レス) @page10 id: 2d27e83292 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みけいぬこ | 作成日時:2024年1月19日 10時