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玄関の扉は簡単にその者の侵入を許し、何の変哲もなかった

元大手企業の実家だから一般家庭に比べれば何倍も広くて長々しい廊下が続くが特に呪霊の気配はない

ただ、進む度に目につく黒い染みと腐敗臭はそれが何で

ここに何が置き去りにされていたかは容易に想像がつく




「食わずに放置してる…余程美味いものが奥にあるってことか」





朽ちている死体はどれも首が切り落とされている

外にいる時には死臭は一切感じなかったから何かしらの結界術かそういう能力を持った呪霊がいるということになる




目的のものがどこにいるかはたれ流されてる呪力ではっきりと分かる

軋みを上げる階段を上がり2階へ






クチャクチャ……クチャ……







薄暗い廊下を進み突き当たり角を折れて更に先

他の部屋から明らかに離れたその一室








クチャクチャクチャ





2階に上がってから耳を震わせる水音の正体が

その扉の前にいた




ギョロリとした瞳はその瞼の中で一回転すると獣の様な鋭い瞳孔が一度丸くなりまた鋭さを増す
鼻はなく口だろう部分にある牙が剥き出しになり人とも獣とも思えない大きさで、咥えている呪霊を咀嚼する
足はなく腹だろう

顔は鳥のようで体は食虫植物
一言で言えば気持ち悪いのだが
その呪霊の手だろう蔦の部分は複数に枝分かれしておりその何本かは扉の隙間の向こう側に伸びていた




「お前がここのボス?それともその蔦の先かな?」

「ダだだ誰……れ」

「呪術師って言えば分かってくれるタイプ?そこまで知性高そうには見えないけど」



ビュッと風を切る音と共に五条の目の前で鋭利に尖った蔦の一本が止まる




「僕には触れないよ。絶対不可侵の領域だからね」

「!ッナニ……」

「留まり続けてる強大な呪力の調査に来たんだけど……お前の後ろだね?その扉の向こう」



ギョロリと呪霊の瞳が回転し気配が一瞬にして変わった

明らかな敵意と憎悪

この場の全ての悪意が五条に向けられた



「わ、ヮ渡さナイいイイ誰ニも……!」

「それは困るなぁ」



ごぽりと一気に溢れた呪いが折り重なり瞬時に下級の呪霊が生まれそれら全てが五条に狙いを定めた
まるで目の前の呪霊が操っているように



「Aはァァァァア誰にモ渡サナィ!!」


「……おっけ、そこにいるのね」




一斉に飛びかかってくる呪霊な恐れることなくむしろ五条の口角は吊り上がり片手で印を結ぶ




「術式順転 “蒼“」





溢れ出る呪力は言葉の通り蒼の輝きを持ってその場の何もかもを引き寄せる



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・→←2015.2.3



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設定タグ:呪術廻戦 , 男主 , 五条悟   
作品ジャンル:アニメ
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みけいぬこ(プロフ) - バナナプリンさん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただけて嬉しいです。また読みにきていただけたら更に嬉しいです(∗ˊ꒵ˋ∗) (1月22日 7時) (レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
バナナプリン - めっちゃ好きです!!設定とか物語すごく凝っててすごいですね!!これからどうなっていくのかすごい楽しみです!!🍌🍮 (1月21日 0時) (レス) @page10 id: 2d27e83292 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みけいぬこ | 作成日時:2024年1月19日 10時

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