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「……すまない…！ああいけない……何か用があったんだよね？！」
しばしの沈黙の後、オールマイトはわざとらしく声を上げて努めて明るい声色でそうもらした
その慌て用は世界に名を轟かせるオールマイトとは思えない腰の低さぶりである
そんなギャップも長所(たまにイラッとくる事もあるがそれは言わないでおこう)だろうなと相澤は思いつつ当初の目的を伝えるべく口を開く
「はい、塚内さんから伝言を…ステインとの面会は遅らせてほしい、と…」
＿＿父さん、はちゃんとご飯食べてるかな…相澤さんとかまたゼリーで過ごしてそうだな
「……」
「……」
満点の星空の下
大の男が2人
ムードもへったくりもないだろうに
ただ無言で互いに空を仰ぎみる
＿＿味変…すごい、鍋ってこんなに味が変わるんだ……
「……A少年の夜ご飯はお鍋なんだね」
「意見交換会も兼ねた鍋パーティだと聞いてます」
「なるほど、それはいいね。友と囲んで食べる鍋は格別だからね」
「そうですね」
漏れ聞こえているAの心の声
それが思わずほっこりしてしまう内容だからか、オールマイトの曲がった背中が少し伸びて柔らかい笑みが浮かんでいた
「相澤くんは、ちゃんとご飯食べたのかな…心配されてるね」
「あれは合理的な栄養補給食品なので問題ありませんよ」
「せっかく、A少年が好きなものを食べられるようになったんだ。たまには同じ物を食べて共有する方がお腹も満たされて会話もできる。合理的じゃないかな。心配もされなくなるよ！」
「……そうですね」
形勢逆転と言わんばかりにニッコリと邪気のない笑みを向けてくるオールマイト
誰もが安心するだろうそれは相澤には直視し兼ねるものでつい、と視線を反対方向に向ける。星空ではなく薄暗い景色しか見えないのだが、背後から聞こえるオールマイトの笑い声と視線の先にあるA組寮の玄関照明をみて、きっとAは今頃幸せそうに鍋を囲んで談笑しているのだろうなと思いを馳せる
「(いや、俺にまで聴こえてるんだ…クラスの奴らにからかわれて真っ赤になってる頃だろうな)」
安易にそんな情景が脳裏に浮かぶものだからふっと口元が緩んだ
生きてここにいる
それだけで、こんなにも人は人に満たされる
「たまにはあなたも食卓を囲んではどうです。そこにいるだけでも喜ぶ奴らは大勢いますよ」
「じゃあ一緒に行こうか」
変な噂を立てられるから嫌だなと思ったのは内緒だ
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みけいぬこ(プロフ) - どなるどさん» コメントありがとうございますっいただいた応援にこたえます୧( "̮ )୨✧︎ (3月14日 16時) (
レス) @page49 id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
どなるど - どの作品も大好きなんですが、この作品はその中でもとくに大大大好きな作品です！！続き気長にまってます🎶応援してます！❤️🔥 (3月13日 21時) (レス) id: 6d4f03cb94 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - ラーメンさん» 2回目コメントありがとうございます！今は平穏な記憶をたくさん作っています( * ॑꒳ ॑*)これからが大変なので…頑張っていきますね (11月7日 21時) (レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
ラーメン(プロフ) - 更新お疲れ様です！みんな可愛すぎてもうなんかやばいです。これからも愛読させていただきます！ (11月7日 17時) (レス) id: 79a6e04b38 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - ラーメンさん» コメントありがとうございます！嬉しい：-：無理せず更新してきます！読んでくださってありがとうございますっ (10月5日 21時) (レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2023年8月28日 13時
