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アメリカほど新年の騒がしさはないものの静かすぎる日本で人の気配がそこここに感じられた夜だった
新しい年の幕開けは万国共通に喜び祝いあうものなのだろう
久しぶりに暴走した個性で聴こえた声達もどこかこれからの未来に希望や願い想いをのせた明るいものが多かった
だからだろうか、恐怖を一心に感じて震えて
恥ずかしげもなく人の温もりに縋って震えていつの間にか気を失うように眠ってしまって迎えた朝が
存外気持ちの良いものだった
「……朝、…」
ぼんやり眠気まなこで考えるのは近くに温もりがない事への寂しさだった
視線を動かして部屋を見渡しても誰もいない
「…」
＿＿とう、さん…
ガチャ…
「呼んだかい？A」
「！」
タイミングよく開けられたドアの向こうに湯気立つコップを持った塚内がいた
「…今、僕」
「私の事呼んだだろ？……聴こえていたよ」
「！」
そっと渡されたココアと言われた言葉にボッと顔が真っ赤に染まった
今、Aは声に出してはいなかったのだ
心の中で呼んだはずなのに、それで遮断の個性が緩んでいたことに気づいた
「さすがに父親だからね、いつまでも聴けないのは寂しいと思ってたから嬉しいよ」
「ぼ、僕は…恥ずかしい……のに」
「はははっ、元気そうで安心したよ。もう辛くはないかい」
優しく頭を撫でられて今ヘッドホンを外していることに気づく
そうしてようやく昨日の事を思い出していった。途端に背中を這い上がってくるのはヴィクトリアへの恐怖。それでも渡されたコップのあたたかさと目の前の塚内を見ればその恐怖はそれ以上大きくなることはなかった
「…辛くないって言ったら嘘になる。お父さんや他の人に何かあったらと思うと怖い。でも、もう…1人じゃないから、でしょ？」
「そうだよ、1人じゃない」
「うん…だから平気」
今までだったら耐えて堪えて蹲って、従う事しか出来なかった
自分を守るためにも誰かを守るためにもそれしか方法を知らなかった
けど今は違う
一緒に乗り越え立ち向かおうとしてくれる人がいる
「雄英に戻ったらイレイザーヘッドの所でインターンだな。しっかり鍛えてもらいなさい。連合の事、ヴィクトリアの事は父さんに任せて」
「…うん」
あ、今のちょっと父親っぽくなかった？なんて茶化してみせる塚内
その心は笑い話にしたいんじゃなくて少し恥ずかしそうにしていてそれが似てるなと思ってAは笑った
朝日に照らされてエメラルドの瞳がキラキラと輝いた
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みけいぬこ(プロフ) - どなるどさん» コメントありがとうございますっいただいた応援にこたえます୧( "̮ )୨✧︎ (3月14日 16時) (
レス) @page49 id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
どなるど - どの作品も大好きなんですが、この作品はその中でもとくに大大大好きな作品です！！続き気長にまってます🎶応援してます！❤️🔥 (3月13日 21時) (レス) id: 6d4f03cb94 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - ラーメンさん» 2回目コメントありがとうございます！今は平穏な記憶をたくさん作っています( * ॑꒳ ॑*)これからが大変なので…頑張っていきますね (11月7日 21時) (レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
ラーメン(プロフ) - 更新お疲れ様です！みんな可愛すぎてもうなんかやばいです。これからも愛読させていただきます！ (11月7日 17時) (レス) id: 79a6e04b38 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - ラーメンさん» コメントありがとうございます！嬉しい：-：無理せず更新してきます！読んでくださってありがとうございますっ (10月5日 21時) (レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2023年8月28日 13時
