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「Aは何をお願いしたの？」
「え？！…あ、その…」
賽銭箱に小銭が投げ入れられる音を聞きながら見よう見まねで手を合わせ礼をし目を瞑った
鈴の音がうるさいくらいに鳴り響き、でも煩わしいとは感じなくて
鳴る度に気持ちが落ち着いて心が安らぐ感じがした
どこか懐かしさも感じて不思議と心の奥底から言葉が浮かんだのだ
今日ここに来られたことへの感謝と大切な人だと思える人達の幸せを
「…な、何も」
「何も？神様は見ていてくださるから、次は何かお願いしてごらん」
「…」
神様にお願いするより、塚内に言う方が恥ずかしい
彼は言っても優しく笑みを深めてくれるだけだろうけれどどこか気恥ずかしかった。自分が誰かの幸せを願うようになるなんてと思った矢先だった
ドンッ
人混みの中を歩いていて反対方向を歩いていた人と肩がぶつかった
「あ、すみませ…」
自然と出た言葉と共にぶつかったであろう人を振り返った瞬間、がしりと肩を掴まれた
「！」
「元気そうだね、A」
ドクリ…ッ
心臓が嫌な音を立てた
背筋から一気に冷や汗が流れ呼吸が一瞬止まった
視線の先には見覚えのない紺色のコート
肩に回された腕はそのままに頭を掴まれグイッと無理矢理に顔をあげさせられた。その先に帽子の隙間から見えた水色にひゅっと喉が鳴った
「(な、で…)」
「なんでって顔してるね？会いに来たんだよ、A」
ガタガタと震え出す身体
振りほどきたいのに力は入らず掴まれた髪が痛いはずなのにその痛みすら感じない
ただ目の前に見えるギラギラとした赤い瞳しか視界には映らず、その瞳が細まり笑った事でかくりと膝から力が抜けた
「おっと、怖いよねこんな人混み…Aをこんな所に連れてくるなんて酷い奴らだ。周りの声がうるさくてAには苦痛だよね？」
そんな事ない、もう自分で制御できる
そう言いたいのに声は枯れてしまったように吐く息しか出て来ず、するりと撫でられヘッドホンを外された事でキィン…と無意識に個性が発動してしまう
「(ダメ…ッ落ち着け…今発動したら…)」
そう思うのに止められず、オパールの輝きが瞳に灯った途端聞こえてきた声にその場に蹲り痛みに耐えるように目の前の男に縋った
この場から離れたい
ここにいたくない
そう思うのに久しぶりの痛みに動けなくなった
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みけいぬこ(プロフ) - どなるどさん» コメントありがとうございますっいただいた応援にこたえます୧( "̮ )୨✧︎ (3月14日 16時) (
レス) @page49 id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
どなるど - どの作品も大好きなんですが、この作品はその中でもとくに大大大好きな作品です！！続き気長にまってます🎶応援してます！❤️🔥 (3月13日 21時) (レス) id: 6d4f03cb94 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - ラーメンさん» 2回目コメントありがとうございます！今は平穏な記憶をたくさん作っています( * ॑꒳ ॑*)これからが大変なので…頑張っていきますね (11月7日 21時) (レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
ラーメン(プロフ) - 更新お疲れ様です！みんな可愛すぎてもうなんかやばいです。これからも愛読させていただきます！ (11月7日 17時) (レス) id: 79a6e04b38 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - ラーメンさん» コメントありがとうございます！嬉しい：-：無理せず更新してきます！読んでくださってありがとうございますっ (10月5日 21時) (レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2023年8月28日 13時
