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「轟達ってあれ？もしかして昼寝でもしてた？」
「？そうだ」
「だよなー…万が一にもお前らがするとは思えないし、まぁ、さっきのやりとりはそう捉えられなくもないけど」
峰田が制裁を食らう分には気にしない瀬呂だったがそれが上鳴にまで飛び火してしまうことには少し哀れに思って間に飛び出してみた。轟達の会話が聞こえてた故に峰田の考えも分からなくはないし何かと気にかけてる轟と全幅の信頼を轟に置いているAだ。男同士と言えどもそういう一線を超えなくもない、とも思わないでもない
「(でも、轟めっちゃA大事にしてるもんなーどっちかって言うと)昼寝中膝枕でもしてもらってたん？」
「いや、俺が気づいたら寝ちまって…目覚めたらAの膝に頭乗せてた、から。してもらったって言うか俺が勝手に」
「あーね」
「痺れちまって立てなかったから痛かっただろうなって謝ってただけなんだが…なんか変か？」
「いんや、まあそうだよな」
一人納得する瀬呂に落ち着いた轟は手を下ろし瀬呂の様子に首を傾げる。空気が穏やかになったことに気づいたAは耳から手を離し恐る恐る轟の背から顔を覗かせた
「Aもごめんな、驚かせて。もう平気っぽいから飯食おうぜ」
「…それそのままでいいの？」
それと言って指を指すのは氷像と化した峰田
「ほっとけほっとけ。上鳴ーそこに取り分けたおかずあるから持ってー。俺米とってくっから」
「はい、喜んで！！瀬呂様にどこまでもついてきまっす！」
ウェーイと喜びながら大皿をふたつ両手に持ち生き生きとテーブルに駆けていく上鳴の後ろ姿を見てAはいつも楽しそうだなと呑気なことを思う
「俺らも行こう。もう他にほしいもんあるか？」
「…蕎麦ないけど焦凍は平気か？」
「ああ。今日はAと同じもん食えるからな」
「…俺に合わせないで好きなの取ればいいじゃん」
「Aが選んだのがたまたま俺も好きなやつだったんだよ」
「っ…」
甘い、柔らかな笑みが心臓に悪い
この高鳴りは何を意味しているんだろう
くすぐったい様な不安な様な不思議な感覚
だけど嫌じゃない
今まで抱いたことのないこの感情は何を意味するのだろう
「(焦凍、だけに感じるものなのか……？)」
心の中で誰かに問うてみる
答えなんて返ってくるはずないのに
《轟焦凍にだけ感じるものだよ》
そんな答えが返ってきた気がした
そうだといいな、とまた心で呟いてみた
．
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2023年3月1日 15時
