【ヒロアカ】平和とはなにか3 (ページ40)

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「多っ……」

「ここにいるの全員ヒーロー志望のヒーロー科？！」

ブラドからの叱咤激励(やたら大声で周りの注目を浴びて恥ずかしかったので早々に更衣室にクラス全員で駆け込んだ)、(セミプロに孵化して俺の元に戻ってこい！！って言ってた)を受け始まる前から少し疲れを感じながらも案内された会場には先に取陰や鎌切が驚きの声を上げる通りすし詰め状態にコスチュームを身にまとった学生たちが犇めき合っていた

「(臭い…)」

前方に何やらスクリーンと台が置かれており、そこに1人のスーツを着た男性が堂々と立っていた

《ようこそ、ヒーロー候補生の受験者の皆さん。私は公安委員会の不眠活郎と申します。特技は徹夜。最高記録は20連勤です！寝なくても問題ありませんが寝なさすぎるとテンションがハイになっていきます！ちなみに今日は12連勤目！元気にハイにいきたいと思いますのでよろしくお願いしまぁすっ！》

見た目はカチッと七三分けに前髪を分け黒縁のメガネをかけた真面目そうな見た目なのにそこからは想像もできないハイテンションな口調(※表情は真面目なまま)、各校初対面であるはずなのにこの場の全員の思いは一致した

「「「「「「(大丈夫だろうか……)」」」」」」

ここと大分距離のあるA組がいる別会場でも似たようなことが起こっていることは互いが知ることはない。閑話休題。

《今日集まっていただいた総勢1500人のヒーロー候補生仮免許取得試験受験者の卵たちの皆々様には、勝ち抜けの演習をおこなってもらいまぁす！！》

クイとメガネのブリッジを押し上げ言葉尻高めにだが無表情で話す不眠
それを耳に聞き入れながらもAはこの会場に来てからずっと感じている異臭が気になって目だけ周りを見渡す。鼻がもげそうなほどくさいわけではないのだが普段は感じないその混ざりあった様な野性味の感じられるそれに無意識に鼻を抑える

「？A、どうした」

「…回原、ここ何か臭くない？」

説明を聴きながらもどこか挙動不審なAに目ざとく気付いた回原がそう問いかけるとAは恐る恐ると聞いてみる

「いや？特に何も感じないけど…」

「そう…」

周りの人達の様子からそうだろうとは思っていたので特別落胆も焦りもない。これはAの嗅覚だから感じ取れる臭いなのだ

「(そうなると、これは…)」

「なんか、あるのか」

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