【ヒロアカ】平和とはなにか3 (ページ35)

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「俺の体温が雪豹の個性で元から高めで、個性を使ってると周りの温度が下がって体も少しずつ冷えていくんですけど、雪豹の個性が反発して熱を出します。その気温差で俺の周りは冷暖の層の境目に常になってます」

「複合個性ならではね！自身の体が常に虚像を生みやすくなってる。後はそこに光が入れば」

「蜃気楼ヲ作リダスコトガ可能。一瞬ノ隙ヲ作ル。攻撃デハナクトモ必殺技ニ値スル」

「お前、もう一個既に出来てんじゃん」

「回原より先にいるみたい」

「調子乗んなよ」

回原の言葉に少し調子に乗ってみれば言葉とは裏腹に楽しそうな笑みを向けられる。合宿でずっと組手をしていたからか回原には軽口を言えるくらいには心を許してるつもりだ。今までならこんな言い方をすることもそんな相手もいなかったのに

「ヒーローはいついかなる時でも力を発揮しあらゆるトラブルから人々を救い出す！これさえあれば安心！勝てる！という型を1つでも多く作り出せ！いいな！」

ブラドの言葉にこれから成すことの意味を理解した面々は大きな声で返事をした

「いぇァ！！イイぜ！そんじゃあ吹出は俺んとこ来な！あと円場！似た個性だ、みっちり見てやんよ」

「よろしくお願いします！プレゼントマイク！」

「うぇ！？俺も！？」

どこにいても響く声量で呼ばれた2人は駆け足で体育館γの後方に歩いていく。声を出すし吹出は色々出てくるから他の邪魔にならない様にだろう

そしてセメントスの個性で一気にフィールドが形成されそれぞれに向き合えるよう場が整えられた

「個性の伸びや技の性質に合わせてコスチュームも並行して改良していけよ！A組には負けるな！！プルスウルトラで行くぞォッ！！！」

「「「「オオオオオオオ！！」」」」

ブラドの掛け声に皆が声を張り上げる

そう負けてはならない

超えるために

強くならなきゃいけないのだ

「…よし」

一度深呼吸をしてAは目を閉じる

己の中に感じる気配に意識を集中させる

冷たい氷の洗練さを体現したかのような美しい獣

全てを見透かすようなあの瞳を思い出す

「＿＿雪那(せつな)」

理由は分からない

けれど、彼女の名前はそれだと確信があった

彼女は敵ではない

向き合っていかねばならないものだと

そして自分よりも強い存在だとも理解しているから

「ホウ、ソレガイレイザーヘッドガミタトイウ獣カ」

この訓練で彼女との付き合い方をものにしようとAは決めていた

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