12 ページ31
「あ！着替え終わりましたか！名前忘れましたそこの人！」
散々に人を実験台のように扱った挙句真新しいものにくいつく子供のように無邪気に走り去ってしまった発目を、飯田は頭を抑え、緑谷は痛む腰を抑え声の方に目を向ける
「はいはいはい、ぴったりですね。どこか違和感とかありますか。コスチュームの機能は把握してます。相変わらずシンプルでもったいないですね」
「え、ぴったり…違和感ない、です…？」
「そうですか、あなた見た感じ身体能力向上タイプですよね。それならこちらのベイビーをつけると更に楽になりますよ！」
「え、何これ…ヒール？え怖い」
「大丈夫！これは歩幅を自動で計測して一歩でその5倍進めるベイビーです！すごいでしょ？！一歩歩くだけで五歩歩くようなもの！」
「いや、いいです…脱がせ、て」
「はぁ、発目やめてやれ。そいつのコスチュームは申請降りたばっかで動作確認とかしなきゃなんだから離れなさい」
やれやれと言った様子で発目を無理矢理に引き剥がすパワーローダー。それにより発目で隠れていた人物が顕になる。声でそうだとは思っていた緑谷達は見えた人物に驚きに近寄る
「えぇ！？氷叢くん！！？」
「うわぁ新しいコスチューム、てかコスチューム姿何気に初めて見るめっちゃかっこええ！」
「うむ！全シンプルリニューアルなのだな！！」
「え、今度は何…怖い」
「落ち着け、こいつらは1Aだ」
発目の圧に気圧されていたAはさらに3人増えたことに肩をビクつかせ出てきた更衣室に戻ろうとしたのだがそれを片手でパワーローダーに止められる。警戒してるのか白藤の尻尾は小刻みに左右に揺れておりどこか膨らんでいた
「(尻尾膨らんでる…本当に怖がってるんだ)」
「(猫みたいや、確か豹なんやっけ…ネコ科や)」
「氷叢くん申し訳ない！怖がらせてしまって！我々は怪しいものではない！」
「その声…飯田？」
「うむ！」
恐る恐るとようやく飯田を認識したAはそのまま緑谷、麗日と視線を移してそうしてようやく肩の力を抜いた。余程発目が怖かったのだろうその場にしゃがみこんで小さくよかった、と声が漏れたのを聞いた
「すまんな、悪気はないんだ。ま、なんだ違和感とかはないか？」
「…はい、大丈夫です。なので追加のアイテムはいりません」
「分かってる」
それには発目以外が納得し、労いに苦笑いをうかべた
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 284人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2023年2月2日 14時
