【ヒロアカ】平和とはなにか3 (ページ4)

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「拳藤、どうした」

「！相澤先生…っ」

堂々としていて凛とした印象がある拳藤が見るからに動揺している。不安そうに揺れる瞳は泣きそうにでもそれを必死に食いしばってる様子が見て取れた

落ち着かせようと軽く背を撫で相澤は努めて優しく声をかけた

「あの…っうちのクラス、一人足りないんです！」

「！」

その言葉を聞いてかたまたまか拳藤の背後から鉄哲が駆け寄ってきて相澤の目前に立つ
こちらもこちらで慌てているのか顔色を真っ青にして怒鳴り散らす勢いで声を上げた

「先生ェ！！氷叢がいねぇんだ！？ラグドールと一緒に中間地点に待機してたんすけど！！」

「ラグドールも…っ戻ってないんですよね！？氷叢、無事ですよね。先生っ！」

上空を消防のだろう飛行機が通り過ぎていく

その先は今だに炎が燃え盛りくらいはずの夜の森を赤く染めている

その方向には肝試しの中間地点でもある

「まさか………！？」

ざわりと背筋を何かが通り過ぎていった

恐怖かはたまたただの夏の夜風か

それでも相澤は嫌な予感しかしなかった

「お前らはここを動くな…いいな！」

「あ、……」

「氷叢を見つけてくれぇ…！！！」

拳藤と鉄哲の悲痛な叫びを背に相澤は夜の森を駆け出した

数度に渡る森の往復で疲れていないわけではないがそんなこと言ってられる暇なんてなかった

「(俺が敵と会って何分経った？いや、敵の襲撃…あの火災から何分経った…！？)」

マンダレイ曰くラグドールと連絡が取れないと言う。ピクシーボブは敵の攻撃を受けて重体

連絡が取れない事と施設から最も遠い場所からの火災。足止めなら施設付近で火事を起こした方が人的被害はそれなりのものになったはずなのだ

考えられることは、あの炎は山火事を起こすことが目的ではないということ

そしてその付近にいたであろうラグドール

狙いがどっちかだなんて現段階では断定できない

だが、敵側はスケジュールとある程度の肝試しの配置を把握していたとしか考えられないのだ

駆け出した先で航空機からの消火が行われ辺りを蒸気が舞う。燃焼した焦げ臭い匂いと蒸気で視界が悪くなるも構わず先に向かう

「！」

もう少しで中間地点と定めた場所という所で相澤は足を止めた

「な、んだ…！？」

視線の先には日本の森には不似合いな大きな氷の塊

表面は少し溶けて歪になってはいるが塊と言い表せるその大きさに目を見張った

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