【ヒロアカ】平和とはなにか3 (ページ28)

今日:6 hit、昨日:32 hit、合計:83,788 hit

9 ページ28

“君はまだ私に倣おうとしているぞ“

午前の必殺技訓練を終え、緑谷は一人悶々と考えながらとある部屋の前で立ち止まる

開発工房、校舎一階にあるその扉の前でついさっきみた光景、言われた言葉を思い返す

今日までの敵との戦いで腕に爆弾を抱えることになってしまった今日日、腕を酷使する必殺技はもちろん、壊れないよう気をつけて戦わなければいけなくなった

スタイルが定まらない、かつ個性の扱いもまだまだ発展途上、暖めてきた必殺技などもなく有意義な時間だった授業は、1人取り残されていくような焦燥感を感じる時間となってしまった

元から個性を発現して普通にヒーローを目指してきた人達との差を痛感させられた

頼みの綱のオールマイトからも自分で考えてみろと放任されてしまいなかなかに緑谷は困っていた

「(オールマイトの言葉の意味はまだよく分からないけど、とりあえず腕が動かなくなっちゃったらマズイもんな)」

腕の動きを補助してくれるサポーターといったものを見出してはもらえないか。腕が壊れてしまえば戦うことはもちろんトップになんてなれっこなくなる。置いていかれないよう食らいついていかなくてはと一人考えを巡らせ鼓舞する

よしっ！と自分に喝を入れて工房の扉を開けようとしたら後ろから声がかかる

「あれ！デクくんだ」

聞き覚えのあるその声に一旦手を止め後ろを振り返ると見えたのはクラスメイトであり日々良くしてくれる友の麗日と飯田

「いないと思ったら！デクくんもコス改良？！」

「廊下を走るな！」

互いにコスチュームのままな姿を見て、同じ考えの人がいる事に少し安心を覚えてる頬が緩む

「あ、うららか……」

無意識に伸ばしていた手は扉を少しひいてしまい

BOOOOOOOOM!!!!

何故か派手な音共に爆風が押し寄せてきて予想もしてなかった緑谷はその爆煙に飲まれ爆風の吹くままに流れ飛ばされた

一瞬の出来事だった

．