【ヒロアカ】平和とはなにか3 (ページ17)

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「はぁっ、はぁっ……っ！」

「どうした、A。避けるな。耐えろ。打ち勝つんだ」

無機質な機械から轟々と炎が溢れ出る

3台の火炎放射器を向けられそれをただひたすらに氷を形成して耐える

出したそばから蒸気をあげて消えようとするそれに彼方は内心怯えながら必死に個性を発動させる

見慣れた風景

聞きなれた父の声

おかえりと涙声で母の声を聞き優しくその腕に抱かれた

ここは安心できる家なのだ

あの嗤う男のいた森ではない

奴の色はこんなに赤々しく軽いものではなかったはず

「怯えるな！A！炎に怯えてエンデヴァーを越えられると思っているのか！」

「…は、い、父様…っ」

父の檄を耳に、Aはぐっと両腕に力を込め直す

パキパキと炎を包むように氷が覆い出す。溶けたそばから作り出せ。炎の熱よりなお低い冷たい氷を作り出せ

そんな声が頭に響く

ここにはいない氷の獣の声だろうか

父の前には姿を見せないのだろうか

「っあ…！」

そんなことを考えてたら氷の力が弱まったのか頬を炎が掠めた

じくじくと後引く痛みがAを、襲う

背後から別の気配がして慌てて飛び上がれば4台目の火炎放射器が動き出した

それらの熱が膨大な圧となりAを襲う

熱さにくらりと一瞬脳が揺れる

＿＿死にたくなくば、氷を纏え

聞こえた声にあの獣だと辺りを見回す

けれど姿は見えず

聞こえてきた“死“の言葉に

熱いはずなのに背筋が凍えた

「(ここは、家のはずなのに…なんで死を感じるんだ)」

ひたすらに氷を形成して熱を避ける

火炎放射器を壊してしまえば済む話なのだがそれを望まれてないことくらいは理解できるので壊しはしない

炎に耐えた先に何があるのだろう

炎に耐える氷が出せるようになって何になるのだろう

「(…ヒーローになるんだっけ……？いや、エンデヴァーを倒す、越えるため……)」

越えるとは厳密に言うとどういう事なのだろう

父様は、自分に何をさせたいのだろう

何をもって越えることになるのだろう

心が冷えるかのように氷の温度が下がっていく

パキパキと赤い龍を飲み込み火炎放射器事何台かを氷漬けにする

膨らみすぎた熱と冷気

頭の端でこのままでは暴発してしまうかもしれないと過去にみた記憶を思い出し両手を広げ見えない熱を包むように霧状の氷を辺り一帯に作り出す

どんどん室温が下がっていき空気が凍る

全てが氷に包まれる

パキリパキリと何かが凍る

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