【ヒロアカ】平和とはなにか3 (ページ15)

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『氷叢ァァァ！！良かったァァァすまなかったァァァぉぉおおおお』

ブラド先生がきて顔を合わせたらこうなる未来を想像してた。何故ならブラド先生は恐面のわりに面倒見がよく熱血で優しい人だから

「氷叢、危険な目に遭わせてしかも守ってもやれず本当にすまなかった。ヒーロー失格だ。お前に多く傷を残してしまった」

「いや、…先生……ッ」

実際はいつものヒーロースーツではなく、黒のスーツを着て髪型も整えられたブラドが病室に来ておいおい泣くこともなく渋い真剣な表情で深深と頭を下げる

Aのしっている常の姿と違いすぎるそれに、された謝罪の意味に戸惑いそして奥底にある恐怖が蓋を開け泣きそうになるのを慌てて口を噤んで耐えた

今泣いたらブラドに迷惑がかかる

ブラドの言葉を肯定することになる

誰かのせいにしたいわけじゃない

謝らせたいわけじゃない

＿＿だが主は死にかけたではないか

「っ」

脳に直接話しかけてくる声にぐっと息を飲む

目の前では真剣な表情のブラドと担当医だろう医者がAのことについて話をしている。それを拳藤と回原も聞き入っていてこちらに背を向けている

「……」

Aはちらりと後ろに伏せっているであろう氷の獣に目を向ける

まっすぐこちらを見つめるその瞳は何を考えてるのか読みとれない

＿＿主は弱い、だから我が傍で守ろう

「守、る…？」

＿＿我は主だけを守るもの脈々と受け継がれてきた意思

主と言われる事が不思議でしかたがなかった

氷という姿だからもしかしてとも思っていたがこの氷の獣は自分が出したものなのだろうか
記憶に全くない、思い出すのは青い焔とそれを操る男の嗤い顔

それが体の芯を凍らすような寒気を伴うからすぐに思い出すのを止める

「(そういえば…)」

記憶の端に何か声を聞いた気がした

それが、お前なのか……？

氷の獣を見やればそっと瞼を閉じてその場に伏せった

それが肯定を意味してるようにも見えてそうなのか、と1人納得した

この獣は敵ではないのだろう、と

ガラ…

「失礼」

扉の開く音が聞こえ全員がそちらに目を向ける

そこには和装をした男が一人

「Aがここにいるときいてきたんだが」

「…父様」

厳粛などこか威圧する感じるその立ち姿、その表情に担当医は慌てて礼をし、ブラドは深深と頭を下げて謝罪する

そのどれもにAの父は冷たい氷のような視線を向けていた

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