【ヒロアカ】平和とはなにか3 (ページ2)

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＿＿今回はあくまで狼煙だ……

「ほんと、急にボス面しやがって」

「え？荼毘なんか言った？！うっそ俺まだうんこ漏らしてねぇよ？！」

「…なんも言ってねぇよ」

薄暗い森の中をおどおど(いや冒険に行く子供のように楽しそうに)(どっちでもいい)歩くトゥワイスを視界の端に入れ、荼毘はふとこの襲撃の前に聞いた死柄木の言葉を思い出していた

派手にする必要も殲滅する必要も今回は無用

ヒーロー社会に風穴をあけると豪語する自称リーダーの死柄木の考えてる事は荼毘自身そこまで興味はない

「…ま、卵が一人死んだとなれば雄英だけじゃなくヒーローの失態、だよなぁ」

「あーー！ダメだ！荼毘！お前！やられた！弱！！ザコかよ！？今なんか言ったか？スマン、俺の世界に入ってた」

「もうか…弱ぇな俺」

トゥワイスの言葉にその個性で作られたもう1人の自分がヒーローもしくは生徒の誰かにやられたことを知る。特別悲しいとも思ってないような声で返した荼毘だが、すぐに慰めの言葉をかけてくるトゥワイスをぼんやり眺める。荼毘自身軽い足止めができれば上出来なので慰めも必要ないのだが、それを説明しても面倒なので触れることはしない

「もう一回俺を増やせトゥワイス。プロの足止めは必要だ」

「ザコが何度やっても同じだっての！！任せろ！」

コンプレスと別れて幾ばくが、任務完了の報告はまだ来てないからまだ少しかかるのだろう

この闇の中、ちりじりになったった卵達をたった6人、いや5人でどうこうできるほどヒーローは万能じゃない

そもそも荼毘はもう既に一人、殺めていると思っているのだから

ちらりと背後を見やればうすら青く輝き轟々と黒い煙をあげる森が見える

今頃焼け焦げている頃だろう

「なんか熱くねぇか？！めっちゃ寒い！荼毘やりすぎだろ！トガちゃんが焦げたらどうする！それはそれで魅力的かも！」

「…あぁ、そうだな。熱い」

内側を燻る熱が高揚からなのかはたまた別のものなのか、荼毘は分かっているはずなのにそれを気づかないフリをする

炎は見慣れているはずなのに

視線の先に照り輝くそれが今までで見た中に上位に入るくらい美しく、そして醜く尊いもののように思えた

命の灯火が燃えて消える

夢が希望が全てかき消される

いつかの自分かそうだったように

そして今でもその炎に憧れ手を伸ばしたくなる

＿＿開闢行動隊！！目標回収達成だ！！

徐に宙に手を伸ばした途端に、そんな声が聞こえてきた

．