朝露にヘデラ ページ10
「……」
なんでこうなった
るいは目が覚めて目の前の光景にまずそう思った
「ぐごごごごぉー」
「んがぁあ」
「……うるさ」
ぱしぱしと少し重たい瞼で瞬きをし、カーテンの隙間から漏れた光が朝を告げる。見覚えのある広い室内にはそこかしこに雑魚寝をする人で埋め尽くされており、室内は適度な温度の暖房がつけられている
ここは、ハイツアライアンス1年A組寮
その、談話室
ひとかたまりになってスヤスヤと寝入る女子達
いびきをかいているのは切島と常闇…いや、ダークシャドウだろうか。峰田は簀巻きにされていて上鳴は尾白のしっぽと瀬呂の足に潰され呻き声をあげていた
「……！」
何故かあたたかいな、と思って後ろを振り向くとそこにはソファに仰向けに静かに眠る白金
るいは思わず立ち上がりソファを降りて彼、爆豪から距離を取った
「スー…」
「……寝て、る」
仰向けに腕を組んで静かに寝息を立てるその人はるいが目覚めてからよく見る上から目線な表情はない
あどけなく、眉間に皺の1つもない綺麗な顔がそこにあり、その穏やかな空気がとても懐かしいとツンと鼻の奥が痛くなって慌てて頭を振った
何を否定したいのだろう
るいは少し分からなくなった
思いっきり泣いてそこから今の今までの記憶はしっかりあるのだ
＿＿一緒に飯食おうぜ！な！
＿＿せっかくですし、お話しをしましょう！時間はたっぷりありますわ
そんな言葉をかけられあれよあれよという間にここに連れてこられた
泣きながら謝ってくる切島
甲斐甲斐しく世話を焼きたがる芦戸や葉隠
常闇も轟もみんなみんな謝罪を述べそしてるいに感謝を述べた
それが歯がゆくってくすぐったくて
でも嬉しくて
砂藤が作ったご飯はおいしかった
この空間が、あたたかかった
「……俺は、Aじゃねえ。…俺は、」
ここにいていいのか
最後まで言葉は音にはならず
思わずるいは駆け出して談話室の扉をそっと開けた
顔を洗いたい
冷たい水で頭を冷やしたい
そう思った
「……」
いびきだけが響く空間で
爆豪は静かに目を開けた
寝ていたわけではなかった
＿＿……俺は、Aじゃねえ。…俺は、
少し辛そうにそんな声が聞こえた
動く気配に気付いていたが動かない方がいいかと寝たフリをしていた
そうして聞こえたるいの弱々しい言葉
「知ってるわ」
違う人格だなんてとっくに認めてる
それでもいいのだと、あと何回言えば伝わるだろうか
．
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みけいぬこ(プロフ) - ユキさん» ユキ様コメントありがとうございます！私の趣味趣向を盛り込んだお話楽しんでいただけて何よりです！原作に追いつく勢いなのでゆっくり更新ですが楽しんでいただければと思います！ (2023年1月19日 14時) (
レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - はじめまして。竜ってかわいい設定だな、と気になり拝見していたところ、気付けば夢中になって一気に読み進めてしまっていました。 (2023年1月14日 9時) (レス) @page50 id: c037b1aedc (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - カンナさん» ご連絡ありがとうございます！リンクミスでした！修正いたしました！ありがとうございます✦ฺ (2022年11月16日 17時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 16話の後から続編になって、”竜の見る夢13”となっています…！何か意図があったのならごめんなさい…。 (2022年11月16日 16時) (レス) id: 8ea5502c44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年11月14日 12時
