17 ページ9
「ハハッ…すっごい泣いてる。へー可愛らしい面もちゃんとあるじゃないっすか」
「ホークス、るいは常日頃から可愛い。お前が変におちょくるから噛みつくんだ」
「いや、変に取り繕っても俺らしくないじゃないっすかー、ゴマすってるって思われても良い関係は作れませんから」
廊下の角に隠れながら一部始終を見ていたプロヒーロー2名(※トップヒーロー)は、年相応…幼い子供のように泣きじゃくるるいを眺めながらその優しい暖かな空間に胸の内をあたためていた
「これであのチビちゃんの頑なな心も少しは解れたんじゃないです？」
「毛根までガチガチな所が似ていなければ解れるだろう」
「毛根…？何の話してます？」
ハテナを浮かべるホークスを横目にジーニストは見守る姿勢の爆豪を見やる。冷静に現状把握に努めてるように見える彼はちらりとこちらを一度見やり、そして
「おー、彼ほんと眼圧すごかー、ジーニストさんめっちゃ睨まれてますね」
「聡い男だ。後手に回るなと言っている」
「なんで分かるんです？」
「分かるさ。あいつは私以上にAを想ってくれている」
前髪を整え、爆豪の伝えたい事が己の考えてることと一致するだろうことを理解する。
あの子は優しすぎる子だから、あそこまで個人の人格を形成しているるいを無碍にはしない
「叶えられる、とはなんと儚いものなのだろう」
「…ジーニストさん」
夢の名を冠するその個性
愛しいあの子は自分の記憶をるいと共有して彼に人生という空の肉体に生を、経験を、感情を授け居場所を与えた
我々がるいを人としてAとは別の個体だと認識させた
「同じ見た目、同じ記憶。急がなければいけないな」
「…それって」
「るいの思いに反して、Aは人知れず消えようとしてる可能性が高い、ということさ。るいに居場所ができてここでの生活が居心地良いものになるなら余計にね」
「…あの子らしい。でもそんなことさせませんよ。まだ謝れてないんですから」
「そうだな」
人は、何のために生きるのだろう
生きることに理由が必要か
必要だと言うのならいくらでも与えよう
君が生きなくてはいけない理由を
だから
「…その夢は、叶えないでくれ。A」
己の消滅を望む悲しい夢を
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 212人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みけいぬこ(プロフ) - ユキさん» ユキ様コメントありがとうございます！私の趣味趣向を盛り込んだお話楽しんでいただけて何よりです！原作に追いつく勢いなのでゆっくり更新ですが楽しんでいただければと思います！ (2023年1月19日 14時) (
レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - はじめまして。竜ってかわいい設定だな、と気になり拝見していたところ、気付けば夢中になって一気に読み進めてしまっていました。 (2023年1月14日 9時) (レス) @page50 id: c037b1aedc (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - カンナさん» ご連絡ありがとうございます！リンクミスでした！修正いたしました！ありがとうございます✦ฺ (2022年11月16日 17時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 16話の後から続編になって、”竜の見る夢13”となっています…！何か意図があったのならごめんなさい…。 (2022年11月16日 16時) (レス) id: 8ea5502c44 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年11月14日 12時
