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「芦戸だけのせいじゃねぇよ。俺も届かなかった」
「……切島、鋭児郎…」
爆豪の少し前、るいのすぐ横に拳を握って悔しそうな表情をする切島。彼もあの日あの場にいて敵に捕まっているAを見たという
「この目で見ててすぐ目の前にいたのに何も出来なかった。情けねェと思ったよ。おめェは一人耐えて信じて待っててくれたのによ……裏切っちまって悪かった」
「何言っ……！」
謝って許させるなんて思うな
そう言いたかったが耐えきれずにるいの頬を涙が伝って慌てて口をつぐんでそれを拭う
拭ったそばから零れ落ちてきて、あれ？なんで…と己の感情のちぐはぐさに、制御できない涙腺に混乱した
その間にも周りのクラスメイトたちは口々にそれぞれの謝罪を眉根を下げて伝えてくれる
そしてそれら全てが
今生きてることに
るいとして今ここにあることに
"ありがとう"を伝えてくる
「……っなん、で……俺はAじゃねェ…俺がいるからAは今っここにいないのに……っ」
本当はみんな、Aに会いたいだろうに
こんな真っ黒なるいではなく
純粋で真っ白で穏やかに微笑む可愛らしいAに会いたいだろうに
なんで、感謝する
なんで疎ましく思わない
お前がいなくなればAが戻ってくるもしれないのに
と誰も言わない
「俺が消えればAに会えるかもしれねぇのに……！なんで俺の存在を認める！？」
平気でこの姿を見て"るい"と呼ぶ
Aとるいを区別して話す
なんで、そんな従順になれる
許容できる
「認めるに決まってンだろ」
「っ！」
背中からかけられた声に肩が揺れる
ゆっくり足音鳴らして近づいて来る気配に無意識に、るいは振り返る
ボロボロに泣き赤くなった瞳で白金の電球の放つ光に輝く髪を見る、綺麗だ…悔しいほどに
「テメェがいたから今Aは死なずにいるんだろうが。何回言わすんだ、アホ」
「ゔ……あ、ほ言うなっﾋｯｸ……」
「俺たちな、お前が全部憎くて嫌いなんだってこと知ってんだ、それでもさ」
「あたしたちがるいのこと嫌いになることってないんだよね」
「その通り！そしてできてしまった溝をなくしていきたいと思っている！」
「なっんで……」
「友達っ！だから！」
少し離れたところから振り絞るように緑谷のそんな声が聞こえた
理由はそれだけでいい
緑谷がそれで救われたように
それ以外にきっと理由なんてない
「また皆で、誰一人欠けることなくいたいから」
．
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みけいぬこ(プロフ) - ユキさん» ユキ様コメントありがとうございます！私の趣味趣向を盛り込んだお話楽しんでいただけて何よりです！原作に追いつく勢いなのでゆっくり更新ですが楽しんでいただければと思います！ (2023年1月19日 14時) (
レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - はじめまして。竜ってかわいい設定だな、と気になり拝見していたところ、気付けば夢中になって一気に読み進めてしまっていました。 (2023年1月14日 9時) (レス) @page50 id: c037b1aedc (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - カンナさん» ご連絡ありがとうございます！リンクミスでした！修正いたしました！ありがとうございます✦ฺ (2022年11月16日 17時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 16話の後から続編になって、”竜の見る夢13”となっています…！何か意図があったのならごめんなさい…。 (2022年11月16日 16時) (レス) id: 8ea5502c44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年11月14日 12時
