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「それは過去の話でしょう」
るいを庇うように前に一歩進み出た飯田はまっすぐに大人であるプレゼントマイクを見る
感情的にではなく冷静に、でも子供じみた言葉を堂々と
「彼の心の内を掬い取れなかった俺たちの責任でもあります」
人の心はそう簡単に掬い取れるものじゃない
隠してるなら尚更
今この瞬間もまだ誰かが何かをひた隠しにしているかもしれない
それを全て網羅することなど土台無理な話
でも、それを無理だからと一言で片付けてしまいたくない
泣いて必死に繋ぎ止めようとする緑の背中を
踏みにじるような真似は決してしたくない
飯田は強く、強くそう思う
「だからこそ、今泣いて絶望しているクラスメイトを友として手を取りたい」
手放すのは簡単だ
見限るのは簡単だ
目の前の事実に怒り、悲しみ、絶望し
手当たり次第に当たり散らし憂さを晴らすなんて簡単だ
奇しくもそれはヒーローではないと教えられた
「手を取ってもらいたい」
誰かの理想のヒーローではなく
己の目指すヒーローになると決めたあの日から
決して友を見捨てないと心に決めた
「それが…彼と俺たちが再び対等になれる唯一の方法なんです」
迷子の手を引いてあげられるヒーローに
なると決めた
涙を拭い決意をもって前を見据える仲間と共に諦めることを、諦めた
「ひでー目には遭ってっからなぁ…5発くらいハウザーぶち込んでトントンだな」
「つっこみづらすぎるからやめろ…」
「俺も色々ぶち込みたい…」
「るいは何する気だ、ほんとにそういうとこ似るのやめろよな…」
治安の悪い顔をするるいと爆豪に思わず瀬呂はツッコミを入れる。「キュイ」と鳴いてこちらに飛んでくるAを優しく抱きとめ「お前は可愛いな、ほんと癒し」と思いながらよしよしと頭を撫でてあげた
「そうだぜ！青山はAFOに勝てないと思ったから従う っちまったんだろ！でも今は違ぇから！"止めよう"って親御さんに言ってくれたんだろ！？」
熱い漢切島の声が部屋中に響く
それはこの場のA組みんなの言葉でもあった
瀬呂はそのまま抱きしめる腕に力を入れる
お前もだよ、Aと心の中で呟く
「緑谷を止めに行った時誰か一人でも無個性を責めたかよ！？涙こらえて隠し事してた奴嫌いになったかよ？！青山！まだ一緒に踏ん張れるんだよ！！」
たかがクラスメイト
だけどクラスメイトだからこそ
そう思えるようになったのは最近だ
その偶然のような繋がりが大切で
そんな当たり前を守りたいと
切に願う
．
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みけいぬこ(プロフ) - ユキさん» ユキ様コメントありがとうございます！私の趣味趣向を盛り込んだお話楽しんでいただけて何よりです！原作に追いつく勢いなのでゆっくり更新ですが楽しんでいただければと思います！ (2023年1月19日 14時) (
レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - はじめまして。竜ってかわいい設定だな、と気になり拝見していたところ、気付けば夢中になって一気に読み進めてしまっていました。 (2023年1月14日 9時) (レス) @page50 id: c037b1aedc (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - カンナさん» ご連絡ありがとうございます！リンクミスでした！修正いたしました！ありがとうございます✦ฺ (2022年11月16日 17時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 16話の後から続編になって、”竜の見る夢13”となっています…！何か意図があったのならごめんなさい…。 (2022年11月16日 16時) (レス) id: 8ea5502c44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年11月14日 12時
