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「芦戸、三奈……なんで…！」
幽霊でも見ているような目をこれでもかと広げ狼狽え肩が震えることは、そこを掴んでいた飯田だけが気づいていた
それを知らない芦戸は真っ直ぐに駆け寄りるいの前にたどり着く。隣には手袋が浮いており葉隠もいるのかと関係ないことを思った
「はぁ…やっと会えたよー！ぜんっぜん会いに来てくれないんだもん！」
「クラス全員で会いに行っちゃダメって言われてて待つことしか出来なかったんだよ！…もう会えないかと思ったよぉ」
バタバタと手袋が上下する
そうだ、もう会わないつもりだったけど
だって、会うとこんなにも心がざわめくから
遠ざけたいと思うのに求めて歓喜する心があるから
また、るいの考えが間違いなのかもと思わされるから
そして、罪の意識を感じたくないから…なのに
「な、んで…生きて」
「え？あたし？ちょっとーるい、勝手に殺さないでよ！あー……まぁ確かにやばかったかもだけど」
るいの小さなつぶやきを聞き取った芦戸は少し怒ったように頬をふくらませたもののすぐてへへと眉根を下げて弱々しく笑う。表情がころころと変わる様は別に嫌な印象は受けない。そして、彼女の言葉の意味を考えて胸がつきりと痛んだ
そのヤバかった原因は、Aが無理矢理にやらされた炎の事だろう
「っ……」
喉元までご、とめの文字が込み上げて歯を食いしばった
なんで謝らなきゃいけない
あれはAが望んでやった事ではない
助かろうがどうなろうが関係ない、気にしなくていい
そう思うのに
「あたしのアシッドベールは炎耐性あるから平気なんだよね、それに潰されそうになったのは切島が身を呈して庇ってくれてさ」
「……」
芦戸三奈
彼女はいつも快活に笑い楽しいの中心にいるような元気という印象だった
だから、こんな優しい慈愛に満ちたような声色も出せるのかと少し驚いた
「Aの炎じゃ、あたしはやられないよ？」
「！」
「ごめんね、あの時あの場にいたのに気づいてあげられなくて……敵の圧に負けちゃってさか弱い女子みたいに泣いちゃった。ヒーローなのにっ」
ボロボロ涙を零しそれでも強い光を灯した瞳で見つめられ、るいは息が詰まった。その涙が綺麗だと思ってしまった
「あの時、あたしがもっとちゃんとしてれば…この手はあんたにも届いたかもしれないのに…っ」
そう言ってピンクの腕はそっとるいの髪を撫でる
じんわり熱が伝わるように熱くなった
．
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みけいぬこ(プロフ) - ユキさん» ユキ様コメントありがとうございます！私の趣味趣向を盛り込んだお話楽しんでいただけて何よりです！原作に追いつく勢いなのでゆっくり更新ですが楽しんでいただければと思います！ (2023年1月19日 14時) (
レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - はじめまして。竜ってかわいい設定だな、と気になり拝見していたところ、気付けば夢中になって一気に読み進めてしまっていました。 (2023年1月14日 9時) (レス) @page50 id: c037b1aedc (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - カンナさん» ご連絡ありがとうございます！リンクミスでした！修正いたしました！ありがとうございます✦ฺ (2022年11月16日 17時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 16話の後から続編になって、”竜の見る夢13”となっています…！何か意図があったのならごめんなさい…。 (2022年11月16日 16時) (レス) id: 8ea5502c44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年11月14日 12時
