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「待って、緑谷くん。三茶、青山の口を塞いでおけ」
痛切に訴える緑谷の声をかき消すように疲れを色濃く見せる塚内が静かに制する
そうして無情にも言葉を紡ぐと青山の口を頑丈な拘束具が覆う
「っ！おい、A」
すると今まで爆豪の腕の中で大人しくしていたAが翼を広げて文字通り飛び出した
制止の声も聞かずAは緑谷を通り過ぎ三茶と呼ばれた猫の姿の警官のすぐ近くまで飛ぶ
「A少年！いけない…！」
一歩前に出るオールマイトを塚内が制す。大丈夫だ、と
「キュウ」
三茶の匂いをスンスンと嗅いで危険かそうじゃないかを確認する。そうしてAはまっすぐ青山を見つめた
青山もまた、涙に濡れた瞳をAに向ける
「…拘束中だ手は取れない」
三茶と目だけで何かやり取りをして頷くのを確認してから塚内は静かに再び言葉を紡ぐ
子供たちの声に耳を傾けないわけではないがはいそうですねと全てを委ねることも出来ない
ここでの決断が、世界全土を左右してしまうからだ
「事情はどうあれ、AFOに加担した罪は消えない。それに状況から安全と推測してるだけでまだナガンのような仕掛けがないとも言い切れない」
ちらとAを盗み見る。塚内はAがどれほど記憶を取り戻してるのか、はたまた一切を今だ無くしたままなのかは報告を受けていない。故にこの行動が何を意味してるのかは理解できない
しかし、仮にAを完全に記憶のない獣の類と見るならば、青山に近づく行為は危険がないと言うことなのかもしれない…とも言い換えられる
「…セントラルの検査結果が出るまで、これ以上彼に喋らせるのはよくない」
「キュー」
「どうして？」そんな風に聞こえてしまうタイミングでAが鳴く
緑谷の嗚咽も耳に入ってきて自分の悪者具合に心が痛む
不安要素を残したまま迂闊なことはできない
大丈夫だと、全てを見通している全能者の言葉があれば、とないものねだりをしたくなる
「あ、こら」
「キュイ」
三茶の制止の声も掴もうとした手もすり抜けAは自由気ままに青山一家の周りを飛び回る。まるで危険かどうかを嗅ぎ分けようとするかのようにスンスンと鼻を鳴らす
「…お母さん、お父さん。神野の強襲はなぜ報告しなかった」
「…こちら発の連絡はできない…向こうが求めた時のみ」
「Aくんの事はいつ命令された。何を、命令された」
「…この白い竜の子が敷地内にいるかどうか、を。いるなら緑谷くんと一緒に連れ出せ、と」
「…なるほど」
．
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みけいぬこ(プロフ) - ユキさん» ユキ様コメントありがとうございます！私の趣味趣向を盛り込んだお話楽しんでいただけて何よりです！原作に追いつく勢いなのでゆっくり更新ですが楽しんでいただければと思います！ (2023年1月19日 14時) (
レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - はじめまして。竜ってかわいい設定だな、と気になり拝見していたところ、気付けば夢中になって一気に読み進めてしまっていました。 (2023年1月14日 9時) (レス) @page50 id: c037b1aedc (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - カンナさん» ご連絡ありがとうございます！リンクミスでした！修正いたしました！ありがとうございます✦ฺ (2022年11月16日 17時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 16話の後から続編になって、”竜の見る夢13”となっています…！何か意図があったのならごめんなさい…。 (2022年11月16日 16時) (レス) id: 8ea5502c44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年11月14日 12時
