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かつんかつんと耳障りな音が聞こえる
「……余計な真似しやがって」
それが誰のものなのかわかるからチッと一つ舌を打つ
思ったより起きるの早かったな、とか囲むな怖がるだろうがクソがとか内心色んなことを考えていた
一人その場から動かず視線も向けず気配すら殺していたのは一重に今のAを怖がらせないためだった
いきなり知らない人間に囲まれ話しかけられたらびっくりしてしまう
怯えて人に対して恐怖を抱かせたくはなかったし
怖がられる様子は見たくなかった
「(俺らしくねぇ)」
そう自分でツッコミをいれるも否定する気はなかった
怖いと形容するのは癪だがそれ以外に表現出来る単語が見つからない
正確には怖いわけではないとちっさい事を無意識に考える
関係が変わる
前にも一度経験したことであり
その時となんら変わらない覚悟、向き合い方でいいはずなのだ
ただ違うのが、今のAには過去の一切の記憶がないこと
蘇ることはほぼないのだろうということ
「君も、Aに自己紹介してもらえるかな。爆豪」
「……」
いつの間にそんな自信に満ちた態度取れるようになったんだ、と少し前の目の前の男の姿、その態度に内心悪態をつく。「私は受け入れたぞ」とでも言いたげなそれにまたひとつ舌打ちが漏れる。どこか子供扱いされてることにも苛立ちを覚え、頭に被っていたタオルを乱暴に剥ぎ取り睨む勢いで上を見上げた
「……」
途端見えたのは澄んだ赤
吸い込まれるようにそこに目がいき、ついで真っ白いそれを捉えた
「彼も、クラスメイトの1人だよ。A」
ベストジーニストの言葉に一度上を向いてまたすぐにこちらに視線が戻る
澄んだ汚れの一切を知らないような綺麗な赤だった
無意識に爆豪は手を伸ばした
追って視線がそれAの横顔を見つめる
「……爆豪勝己だ、クソチビ」
「……」
その横顔に向けて名を告げれば再び顔をこちらに向け真正面に向き合う
いつも話をする時はこうやって目が合っていたなとふと思い出した
「もう、忘れんな」
「……」
思わず盛れたその言葉
しばし見つめてきたAはその言葉に対してか
伸びた爆豪の指先を見つめ鼻を近付ける
そうしてスンと鼻息一つ
鼻息のぬくもりが伝わる
「キュイ」
「……」
何か言ったのかただ鳴いただけか
少し目を細め、Aが笑った様な気がした
忘れない、と言っているような気がした
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みけいぬこ(プロフ) - ユキさん» ユキ様コメントありがとうございます！私の趣味趣向を盛り込んだお話楽しんでいただけて何よりです！原作に追いつく勢いなのでゆっくり更新ですが楽しんでいただければと思います！ (2023年1月19日 14時) (
レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - はじめまして。竜ってかわいい設定だな、と気になり拝見していたところ、気付けば夢中になって一気に読み進めてしまっていました。 (2023年1月14日 9時) (レス) @page50 id: c037b1aedc (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - カンナさん» ご連絡ありがとうございます！リンクミスでした！修正いたしました！ありがとうございます✦ฺ (2022年11月16日 17時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 16話の後から続編になって、”竜の見る夢13”となっています…！何か意図があったのならごめんなさい…。 (2022年11月16日 16時) (レス) id: 8ea5502c44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年11月14日 12時
