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口をはくはくと開閉させて間抜けな魚のようなるいを前に、爆豪はニヒルな笑みを崩すことはしない。遠慮することはやめた。下手に求めることも腫れ物を扱うような事もしないと決めた
己に反抗的で可愛らしいほどに反抗してくるならそれに乗ってやろうと、るいが楽にいられる態度を意識する
「(余計なことは考えさせねぇ、今の俺らを見ろ。るい)」
それは願いであり、想いである
凝り固まった気持ちを色んな人に触れて解きほぐす
「おーい、爆豪……」
「っ……」
それが、A組ならできると確信しているから
「るいっ！！！！」
聞き覚えのある声とともに、予想通り赤い髪を重力に逆らい逆立て邪気のない笑顔をこちらに向ける切島に
己の名前を正しく呼び駆け寄ってくる彼に、るいは反射的に一歩身を引いた
しかし引いてすぐにそれでは負けたみたいで癪でついグッと押し留まってしまってまたすぐに後悔する
逃げればよかったでは無いか
「(会いたくなかったのに…！)」
「るいだよな！その姿で会うのは初めてだな！」
「…」
負けた気がすると子供じみた考えがるいをその場に縫いつけ、そのせいで正面から切島の笑顔を見る羽目になった。せめてもと視線を逸らして眉根を顰め不快感を体現してみても切島には何処吹く風。まったく効果はなかった
「やっと来てくれたな！ずっと待ってたんだぞ！」
「っせーな、誰が好き好んで来るかよ」
「おおお！ほんとに口悪ぃ！爆豪みてー！」
「「似てねェわ！殺すぞ！」」
一言一句揃ってしまったことにるいは気持ち悪いという気持ちを込めて爆豪を睨む。爆豪も舌打ちをしてるいを睨み、それを見て切島が愉快そうに笑う
「え？なになに？るいきてるん？」
「え？！うそ！」
「……チッ」
騒々しさに、トレーニングを終えて汗だくになったA組メンバーが続々と戻ってきた。声からして上鳴と麗日、他にもちらほら見知った顔が見えてるいはますます居心地が悪くなった
「おっと、逃げんなよ」
「…爆豪勝己！」
「せっかく来たんだ、ゆっくりしてけよ」
今までAにそんな顔見せたことないだろ！
そう内心毒づくほどに今の爆豪の顔は悪役じみていて腹の立つものだった
「まっじでいる！本物！」
「上鳴、珍獣じゃないんだからその言い方やめたれ」
「いや、瀬呂…ある意味レアだよ。ウチ来てくれると思ってなかったもん」
耳郎の驚きを含んだ声にるいは内心そうだよ…と同意した
来るつもりなんて、なかったんだ
．
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みけいぬこ(プロフ) - ユキさん» ユキ様コメントありがとうございます！私の趣味趣向を盛り込んだお話楽しんでいただけて何よりです！原作に追いつく勢いなのでゆっくり更新ですが楽しんでいただければと思います！ (2023年1月19日 14時) (
レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - はじめまして。竜ってかわいい設定だな、と気になり拝見していたところ、気付けば夢中になって一気に読み進めてしまっていました。 (2023年1月14日 9時) (レス) @page50 id: c037b1aedc (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - カンナさん» ご連絡ありがとうございます！リンクミスでした！修正いたしました！ありがとうございます✦ฺ (2022年11月16日 17時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 16話の後から続編になって、”竜の見る夢13”となっています…！何か意図があったのならごめんなさい…。 (2022年11月16日 16時) (レス) id: 8ea5502c44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年11月14日 12時
