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「スー……スー」
「……全然、起き、ませんね」
清潔感あふれる白を基調とした室内に穏やかな寝息と緑谷の零した声だけが聞こえる。保健室のベッド、その枕の上におさまる小さな仔竜を寝かせ緑谷は黙ったままの幼馴染の横顔を盗み見た
さっきのは一応独り言ではある。人はいるので誰かしら返してくれるかなとも思ったのだが(仲直り？したとはいえまだギクシャク感の残る爆豪はさておき)反対隣にいるるいからも返事はかえって来なかったので今この状況が喜ばしいことだけでは無い事を知らせる
「リカバリーガール、Aは…」
「そんな情けない顔するんじゃないよ、No.3様」
「…今はもうそんな肩書きは飾りです。それでAを救えるわけでは」
「はいはい悪かったさね！そんな心配しなくても大丈夫だから」
どこか辛気臭い弱々しさも感じるベストジーニストの姿にリカバリーガールはやれやれとため息を漏らす。こと、愛息子のことに関しては普段の気丈さがどこかへ行ってしまうその人間らしさに嬉しいやら心配やらな複雑な心境を隠しもせず、かと言って意地悪で黙っとくのもメリットはないので今しがた触診した結果を伝える
「ただ寝てるだけさね。身体には何の異常もない」
「本当ですか……」
「腕もちゃんと神経通ってる本物だし、内臓も痛めてる様子はないよ。本当に、ただ寝てるだけさね」
しばらくしたら、目は覚める
そう最後の言葉を聞きベストジーニストとその隣にいたホークスは張り詰めてた息を思わず吐き出した
それは安堵だった
「おい、るい」
そんな空気を気にもとめず爆豪はまっすぐAを見つめたままるいに声をかける
その声に皆の視線が爆豪に、そしてるいに向けられる
恐らく爆豪とるいだけが
理解してることがある
それを確認するために、爆豪は言葉を紡ぐ
「さっき、Aに会ったろ」
「…っ」
その言葉は確信だった
爆豪は卵に触れたあの瞬間、暗闇で1人蹲るAを見た
それに手を伸ばし戻ってこいと願った
その時Aは言ったのだ
全てが過去形になってた言葉達
「てめぇの中にAの記憶がある、そうだな」
「っ……Aがっ、失くしたくないからって…Aの記憶が俺の記憶みたいになって、Aの気持ちが…全部、っ」
「それって…記憶の譲渡…？」
．
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みけいぬこ(プロフ) - ユキさん» ユキ様コメントありがとうございます！私の趣味趣向を盛り込んだお話楽しんでいただけて何よりです！原作に追いつく勢いなのでゆっくり更新ですが楽しんでいただければと思います！ (2023年1月19日 14時) (
レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - はじめまして。竜ってかわいい設定だな、と気になり拝見していたところ、気付けば夢中になって一気に読み進めてしまっていました。 (2023年1月14日 9時) (レス) @page50 id: c037b1aedc (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - カンナさん» ご連絡ありがとうございます！リンクミスでした！修正いたしました！ありがとうございます✦ฺ (2022年11月16日 17時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 16話の後から続編になって、”竜の見る夢13”となっています…！何か意図があったのならごめんなさい…。 (2022年11月16日 16時) (レス) id: 8ea5502c44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年11月14日 12時
