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眩い光に部屋が包まれる
目を細めそれが鎮まるのを待つこと暫く
特に世界が変わったわけでも何かがなくなったわけでもない
変わらない室内にただ一つ
爆豪の両腕に抱えられた真白なそれだけが新たな存在だった
「A、くん……？」
緑谷の声が静かな室内にぽつんと溶けて消えた
俯いて真白を見つめる爆豪は普段からは想像できない優しい手つきでその白を撫でる
ベストジーニストにも見覚えのあるそれは
無垢な深紅の瞳を閉ざし、穏やかな顔で寝ているよう
「A…」
また再び生きて会えた、その喜びがじわりじわり込み上げてくるのに
「うっ……ヒック…A……Aｯ、」
背中にきこえるるいの泣き声とそれを宥める緑谷の声
そして、正面の白を抱く爆豪の安堵も何もない真剣な眼差しに、良いばかりではないのだろうと察した
薄鈍色の無であった卵
そこに触れるだけで取り戻した爆豪
そこにあるのが当然のように
手を触れることが正解だったように
雄英で過ごした日々の中に今日に辿り着くヒントが散りばめられていたのだろう
ベストジーニストでは到底見つけられないそれら
「…君に任せてよかったよ。爆豪」
まだどこか不満そうな爆豪に、ベストジーニストは歩み寄る。完璧を追い求める彼にとって今この状況はまだ勝ちではないのだろう、それでも
「スー……」
「生きて、くれていたことに…今は」
「……あぁ」
この穏やかな寝息をまた聞くことができるなんて
指先でそっと真白の背に触れる
ドラゴンというには柔らかい体毛にあたたかな体温が伝わる
生きてる
「ありがとう…」
「……」
思わず声が震えた
ずいと渡されたそれを壊れないようにそっと両腕で抱き
優しく包む
トクン、トクン…
「っ……」
思えば、あの悪夢の日から今日まで
ずっとこのぬくもりを求めていた
ずっとずっと触れたくて、抱きしめたくて
ずっとずっとずっと馬鹿みたいに耐えてきた
耐える必要などなかったのに
「Aｯ……！」
生きていた
また会えた
ぬくもりに触れることができた
抱きしめることができた
ぎゅう…と思わず力が入る
苦しいはずのそれに身動ぎひとつせず寝息を奏で続けるA
背中でるいの泣き声がきこえる
「目を、覚ましては…くれないのか……！」
「スー……」
ベストジーニストの悲しげな声に
応えは返ってこなかった
．
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みけいぬこ(プロフ) - ユキさん» ユキ様コメントありがとうございます！私の趣味趣向を盛り込んだお話楽しんでいただけて何よりです！原作に追いつく勢いなのでゆっくり更新ですが楽しんでいただければと思います！ (2023年1月19日 14時) (
レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - はじめまして。竜ってかわいい設定だな、と気になり拝見していたところ、気付けば夢中になって一気に読み進めてしまっていました。 (2023年1月14日 9時) (レス) @page50 id: c037b1aedc (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - カンナさん» ご連絡ありがとうございます！リンクミスでした！修正いたしました！ありがとうございます✦ฺ (2022年11月16日 17時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 16話の後から続編になって、”竜の見る夢13”となっています…！何か意図があったのならごめんなさい…。 (2022年11月16日 16時) (レス) id: 8ea5502c44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年11月14日 12時
