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「はぁっはぁっ…」
談話室を出て脱衣所まで早歩きで移動したるいは詰めていた息を吐き出す。足音を立てないようにここまで来たのは寝ているみんなを起こさないためかバレないためか、その答えはるいですらもってはいない
自分の感情のはずなのにその制御が上手く出来てない
そんなことすら思っていた
「…るい、くん？」
「！」
誰もいない、ついてきてもいないと思っていたのにかけられた声にるいの肩がビクリと揺れる。そうして振り返れば
「あ、ごめっ…驚かせちゃった、よね！？」
「…緑谷、出久……」
肩に湿ったタオルをかけ(髪の毛もどこかしっとりとしている)慌てたように両手を振る緑谷がそこにはいた
風呂上がりなのだろう、談話室に全員いたかなんて一々把握してないしどこに誰がいようと別に悪いことじゃないから実際どうでもいいのだが
「あっ、これは違くて…？！朝早く目が覚めちゃってランニング行って汗をかいたからであって…後をつけてたとかそういうんじゃないんだ…？！」
わたわたと冷や汗をかきながら慌てて弁解する様が
声のトーンも上擦って強者には見えないその話し方に
「…うざ」
「？！うざ……っ……るいくん…？！」
ついそんな言葉が漏れてしまった
爆豪のように対抗して声を荒らげることも
ホークスのようにからかい交じりに言葉を返してくることも
ベストジーニストのように痛くも痒くもない、むしろそれすらも愛おしいと言うような慈愛の笑みを浮かべるでもない
「あ、ごめっ…んね。一人でいたからどうしたのかな、って少し心配になって…急に声掛けたらそりゃびっくりしてうざ…いよね、ハハッ…」
「……」
傷ついてる様なそれも慣れてるような
それでも
「それはそうと、平気？るいくん」
「…何が」
まっすぐこちらを見つめそこには心配だとありありと見てとれる優しい瞳
「後ろ姿が、とても辛そうに見えたから…まだ戸惑いはある、よね？」
「っ…」
「他人の僕たちをもう一度信用するのは、怖いよね」
自分でもはっきりと答えを見い出せてない柔らかく繊細な部分にズカズカと入ってくる
優しい口調で、無害そうな顔でそれでも土足で目の前まであがってくる
「少し前、僕もそうだった」
でもその靴底は泥ひとつついてない綺麗なそれなんだろう
だから、嫌だけど…不思議と嫌じゃなかった
「は？お前も…？」
「うん」
不思議と、緑谷の声が耳に届いた
．
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みけいぬこ(プロフ) - ユキさん» ユキ様コメントありがとうございます！私の趣味趣向を盛り込んだお話楽しんでいただけて何よりです！原作に追いつく勢いなのでゆっくり更新ですが楽しんでいただければと思います！ (2023年1月19日 14時) (
レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - はじめまして。竜ってかわいい設定だな、と気になり拝見していたところ、気付けば夢中になって一気に読み進めてしまっていました。 (2023年1月14日 9時) (レス) @page50 id: c037b1aedc (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - カンナさん» ご連絡ありがとうございます！リンクミスでした！修正いたしました！ありがとうございます✦ฺ (2022年11月16日 17時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 16話の後から続編になって、”竜の見る夢13”となっています…！何か意図があったのならごめんなさい…。 (2022年11月16日 16時) (レス) id: 8ea5502c44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年11月14日 12時
