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「バカにしやがって、あのクソ鳥……！ムカつく…！」
ズンズンズンと足を踏み鳴らし勝手知ったる道を迷いなく進むるい。壮絶な死闘を目の当たりにして世界は中々に優しくないものなのだと、あっけなく人は死ぬのだと何故か気分が滅入った
その落ちた心を敵意を向けたはずの人に救いあげてもらったことに
「……くそっ」
むず痒い気持ちと嬉しいような気持ち、言い表せない複雑な感情が胸中を渦巻いて苛立ちという陳腐な感情に押し込んだ
思い通りにいかない現実に
自分でもよく分からない感情の動きに
生きるという繊細で複雑な事にるいは戸惑いを隠そうと必死だった
誰の手助けも借りず1人で生きていこうと思ってた
Aが安心して生きていけるように作り変えてやる
そう決意していたのに
心のどこかで1人では無理なのではないかと感じている事が無性に悲しくなった
「……っあ？！」
ひたすらに歩を進めていたるいは、突然の衝突
壁のような分厚さでどこか温かさの感じるそれにぶつかり受け身も取れずに尻もちをついた
「っ……ンだよ……！！」
何もかも上手くいかないことに悪態をつくも顔を上げた先に見えたものに、目を見開いて吐き出そうとした言葉が詰まった
真っ黒なそれを睨みつけた瞳は限界まで見開かれ、心臓はドクンと大きく脈打った
「(なん、で……！？)」
なるべく、出会わないように避けていた
ベストジーニストの部屋に籠り、(仕方なく)彼に引っ付いて回っていた
「……珍しいな、てめェがこっちに来るなんて」
「は？何言っ……！」
ニヒルな笑みを浮かべ、額の汗をそのままに見下ろしてくる白金の少年、爆豪の言葉に今更ながらにここがどこなのかを理解して内心舌を打つ
「(くっそ……無意識で歩いてきたから……)」
珍しいと爆豪が言うのは、ここが生徒寮、A組の寮に向かう廊下であり、爆豪とぶつかったここはトレーニングルームに通じる十字路の真ん中だった
無意識に、ここに向かっていた
来たくないと思っていたのに
会いたくないと思っていたはずなのに
「ばくごー、何立ち止まってんだー？」
「っ……！」
少し先で聞こえた幼さの残る声
聞き覚えのあるそれに真っ先に脳裏に赤い髪の少年が浮かぶ
ドクドクと脈を打つ心臓の鼓動が
耳元で聞こえるようで
目の前の楽しそうな笑みをただ見詰めることしかできなかった
．
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みけいぬこ(プロフ) - ユキさん» ユキ様コメントありがとうございます！私の趣味趣向を盛り込んだお話楽しんでいただけて何よりです！原作に追いつく勢いなのでゆっくり更新ですが楽しんでいただければと思います！ (2023年1月19日 14時) (
レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - はじめまして。竜ってかわいい設定だな、と気になり拝見していたところ、気付けば夢中になって一気に読み進めてしまっていました。 (2023年1月14日 9時) (レス) @page50 id: c037b1aedc (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - カンナさん» ご連絡ありがとうございます！リンクミスでした！修正いたしました！ありがとうございます✦ฺ (2022年11月16日 17時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 16話の後から続編になって、”竜の見る夢13”となっています…！何か意図があったのならごめんなさい…。 (2022年11月16日 16時) (レス) id: 8ea5502c44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年11月14日 12時
