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ずっと手を振り続ける冬美
それを後ろに見てAは同じく見えなくなるまで手を振り返した
見えてるかは分からない
車内で小さく振っているだけだから
けれど自分から振りやめることはしたくなくて角を曲がって完全に見えなくなってから手を下ろし体を前に向けた
2人だけの車内にエンジン音だけが何となく響く
少し先には黒の車が一台
車種という概念すらAにはないだろう
一先ずその車に轟達が乗っているという事だけ理解していた
「何食ったんだ」
静かな車内に言葉が降る
相澤の言葉にAは何食べたかな、とつい先程まで居た空間を思い浮かべる
初めて食べるものがたくさんあった
なによりどれもあたたかで色鮮やかだった
「餃子、とし、しせん？麻婆とあ、竜田揚げが味がしっかりしてて衣がサクサクでとっても美味しかったです」
「竜田揚げそんな好きだったのか。偉く饒舌だな」
「あ、いや……緑谷がそう言ってて」
「あぁ、なるほど」
そんなたわいない話をぽつぽつと
爆豪が四川麻婆をすごく食べてたとか
料理は轟の兄と姉が作るのだとか聞いていた事を相澤に話していく
覚えた言葉を一生懸命伝える幼子のように
過ごした時間を共有したいと言うその思いが
相澤には微笑ましかった
言葉を紡いでくれるそれだけで、有意義な時間だったのだろうなと行かせてよかったと思う
「……っ！A、どっか掴まれ！」
「え……うわっ！」
穏やかな時間も束の間
正面の車がいきなり左に揺れた事に相澤は間髪入れずに反対方向にハンドルを切りブレーキを踏み込む
座席に頭をぶつけた感触が背中を叩いてすまんと思うものの視線は前から決して離さない
「車から絶対出るな、いいな」
「っ……はいっ」
正面に浮遊する白い紐状のそれ
自身の首元の捕縛布に似ているが数字を象った様なものも見て取れてそれが同じものでは無いことを理解する
一人車外に出た相澤は背中に引き止めるような縋る視線を感じつつ現状理解に努める
先に既に飛び出していた赤き炎は敵と対峙しており、人質一人も目視で捉える
「(あれは……)」
その人質が見覚えありすぎる白髪をしていて偶然の事件ではないことを察して舌打ちを漏らす
この場にいる誰を目的に騒動を起こしているのか
一瞬、ちらりと後ろに目を向ける
Aを狙う為の囮が人質だったら
そう思うと、踏み出す一歩が重く感じられた
離れていいものか
．
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みけいぬこ(プロフ) - レインさん» コメントありがとうございます！私も気づいてすぐ更新したのですが何故かすぐ非公開になってしまって汗また載せましたのでよろしくお願いします( т т ) (2022年10月31日 2時) (
レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - スズレカさん» コメントありがとうございます💦何度か載せてるのですが何故か非公開になってしまって。上げ直しましたのでご確認お願いします！ (2022年10月31日 2時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 突然すみません！最近の更新話で3の次が5になっていて4が抜けていて話が飛んでいるような気がします。私側の不具合でしたらすみません💦 (2022年10月28日 22時) (レス) id: 569c36d262 (このIDを非表示/違反報告)
スズレカ(プロフ) - 初コメ失礼します。Himmelhoch uitramarinの4話目が非公開になってるかもしれません（違ったらごめんなさい）。いつも楽しみに待ってます。更新頑張ってください！ (2022年10月28日 21時) (レス) id: d908ec33e4 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - せつなさん» 修学旅行おかえりなさい！更新させていただいております！比較的ほのぼのライフを送っています笑楽しんでもらえてますと幸いです*.(๓´͈ ˘ `͈๓).* (2022年10月28日 5時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年10月6日 14時
