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「すー、すー、…」
「……」
教員寮の談話室
テーブルの上には広げられたノートと参考書
そして愛らしい色とりどりのクレヨンで描かれた絵の数々
それを枕にするように穏やかな寝息を立てるエリを、Aは穏やかな気持ちで眺めていた。ふと、漏れそうになるあくびを堪えて他人の横で眠気を感じるようになったのかとしみじみ思いつつ、そっとその柔らかな銀糸にふれる。優しく撫でてやるとエリの表情が少し綻んだ
暖房のきいたあたたかな室内
清潔な服に穏やかな環境
美味しいご飯に優しいたくさんの人達
寒い冬をこんな贅沢な環境で
なんの対価もなく過ごしていいのだろうかと少し思う
誰かと隣合って座って穏やかな寝顔を眺める日が来るなんて少し前の自分は想像できただろうか
「デク、さん……」
「…緑谷の夢、みてるのか」
ぽつりと漏れた名前にAの口元が緩む
きっと夢の中でも彼はヒーローしてるのだろうなと思いながらノートに再び視線を戻す
そこには古文の教科書と参考書、そしてノート
Aは理系科目が得意だったようで理科や数学は問題なく平均点以上を取れていた(ほぼ独学だったのにすごいと褒められた)国語も漢字や文章問題は問題なく、漢文古文は活用形や読み方の複雑さに少し苦戦している。英語は単語覚えてることが多くマイクの熱烈な指導で国語よりは順調だ。現代社会は知らないことが多く一番苦戦している。歴史に関しては暗記が苦手では無いのである程度は点を取れているという(某クラス順位下位生徒より上というのは教師陣しか知らない)
覚えもよく飲み込みもやる気もあるので教師陣がこぞって教えたがっているのはここだけの話である
「…春眠、暁を覚えず……処処に…聞く…啼鳥を…あ、逆か」
なぜ平仮名を書いてくれないのか、そう思いながらも読み進めるA。暗号のようなそれを読み解くのは楽しいと言えばそうなのだが些か複雑だな、と思う
「や、め……」
「！」
ふと、隣から苦しげな声が聞こえた
「や、だ……こな、っで……！」
「……」
目を閉じて苦しそうに眉根を下げるエリ
先程までの穏やかな表情とは一変し、何かに追われてるのか誰かを、何かを拒絶するその言葉にAの胸がきゅうっと縮む
日々が穏やかで楽しくなっても
心の奥底に刻まれた闇はそう簡単になくなって消えてくれない
ふとした時に、忘れた頃に忘れるなとそいつらは現れる
光と闇が隣り合わせなのだと思い知らされる
．
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みけいぬこ(プロフ) - レインさん» コメントありがとうございます！私も気づいてすぐ更新したのですが何故かすぐ非公開になってしまって汗また載せましたのでよろしくお願いします( т т ) (2022年10月31日 2時) (
レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - スズレカさん» コメントありがとうございます💦何度か載せてるのですが何故か非公開になってしまって。上げ直しましたのでご確認お願いします！ (2022年10月31日 2時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 突然すみません！最近の更新話で3の次が5になっていて4が抜けていて話が飛んでいるような気がします。私側の不具合でしたらすみません💦 (2022年10月28日 22時) (レス) id: 569c36d262 (このIDを非表示/違反報告)
スズレカ(プロフ) - 初コメ失礼します。Himmelhoch uitramarinの4話目が非公開になってるかもしれません（違ったらごめんなさい）。いつも楽しみに待ってます。更新頑張ってください！ (2022年10月28日 21時) (レス) id: d908ec33e4 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - せつなさん» 修学旅行おかえりなさい！更新させていただいております！比較的ほのぼのライフを送っています笑楽しんでもらえてますと幸いです*.(๓´͈ ˘ `͈๓).* (2022年10月28日 5時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年10月6日 14時
