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「レディー……ゴーッ！！」
飯田の掛け声とともに辺りが声援に包まれる
「頑張れー！ 口田ー！」
「やっちまえ、獣郎太ー！」
二本の腕が真ん中で拮抗しぷるぷると震える
「一勝一敗」
「いい勝負だな」
従兄弟同士である轟とAは波長が合うのか盛り上がる周りとは違い静かに成り行きを見守る。Aが呟いたように今はそれぞれに勝ち点が1ある
「…これ、なんの勝負だったっけ」
「明日の晩飯の肉決めのためだったと思うぞ。牛か豚か」
「牛か、豚……」
しょーもないと思ってしまったのは内緒である。どちらでもいいではないかと思ったがそれと同時にAは何か忘れてるような気がした。肉というワードに何か伝えなきゃいけないことがあったような気がしないでもない
「…あれ、物間じゃねぇか」
「…本当に抜け出してきたんだ」
伯仲する戦いに両組の応援は盛りに盛り上がっている。故に轟の小さな呟きはAにしか届かない。抜き足差し足で大広間に戻ってきた物間はタイミングを見計らっているように見えた
粘り強く宍田のスタミナ切れを待っているかのような 口田の傍に(応援しにきたのなら宍田側ではないのか？と思ったが)物間は近づき
「あ、虫だ」
「きゃぁぁあ！！？」
歓喜と悲鳴混じる空間に一人きょとんとしたような場違いな声は思いの他響いた。虫が苦手な 口田の耳にもそれはしっかりと聞き取られ、恐怖に咄嗟に飛び退き力が抜ける。その一瞬を宍田は逃さず押し倒されていた己の腕を反対方向にねじり倒したのだった
「落ち着け！ 口田くん！虫など見当たらないぞ？」
「あれぇ？虫がいたと思ったけど見間違いだったかなぁ？」
「てめえ、妨害だろーが！」
「証拠もないのに言いがかりつけないでくれよ。負けたらこっちのせいなんてタチの悪いやからみたいじゃないか！」
しれっと言い張り逆に難癖をつける物間
それを見てAははぁとため息をついた
ギャンギャン喚く爆豪と仲裁に入る庄田
その言葉がガンガン頭に響いて眉を顰める
「まあ、物間が見た時はいたかもしれねぇしな。一概に妨害とは言いにくいんじゃねえか……おい、氷叢、大丈夫か？」
「……ああ、平気だ」
「成り行きでここ来たんだったよな。本当はどこ行こうとしてたんだ」
「風呂入って寝ようとしてた」
「……帰っても気づかれねぇと思うぞ」
バァンッと泡瀬の手がテーブルに叩きつけられ部屋一帯に歓声と切島の快活な笑顔が輝いていた
こちらを見ている者は一人もいなかった
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みけいぬこ(プロフ) - 早桃さん» ありがとうございますっ！！更新強化していこうと思ってて他の作品とは少し違う視点でいこうと思うのであたたかく見守っていただけますと嬉しいです！ (2023年1月29日 11時) (
レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - やばいめっちゃ好きです！！大好きです！これからも無理せずに更新頑張って下さい！応援してますぅぅぅ！ (2023年1月29日 10時) (レス) @page48 id: 363e501944 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - 千椛さん» コメントありがとうございます！ここを楽しみにしてくれてる人がいて喜びに震えております！頑張ります！ (2022年12月7日 11時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
千椛(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！！ (2022年12月6日 22時) (レス) @page31 id: f9704de043 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - 月の光さん» コメントありがとうございます！魔ってました( º^º; )修正致しました！ご指摘ありがとうございます！氷叢くんいつか混沌に巻き込まれていくのですがなるべく穏やかにがんばっていきます(*`･ω･)ゞ (2022年10月4日 22時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年10月3日 18時
