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「落ち着け、氷叢」
ラグドールに言われ理性が働かなくなるくらいに消耗させる事を目的としていたが、いざそうさせてみると心配や不安が先行してきてしまう
それほどに今の氷叢はどこか儚く脆そうだと感じた
「イレイザー、」
「捕まえたから一先ず終いだ。落ち着かせてやらなきゃならないしな」
「あぁ……氷叢、分かるか、俺だ」
駆け寄ってきた担任であるブラドはそう努めて優しい声色で名前を呼ぶ
図体の大きさか初めはさらに唸りをあげて警戒を露わにしていたものの少しずつ呼吸が収まり、ぱちぱちと瞬きを繰り返す
「ヴゥ、……っ……ぶ、らど……先せ……？」
「あぁそうだ。氷叢…大丈夫そうか？」
ふっふっ、と浅い息を繰り返しようやく瞳孔が元に戻り焦点がはっきりとしだす
途切れ途切れにブラドの名を呼ぶと僅かに下がっていた一帯の温度が熱を取り戻す。それでAの個性が発動していた事に少し驚く。ノーモーション、辺りに特に変化をもたらさず冷気を漂わせていたのか、と
野性味がなりを潜めたので相澤は捕縛布の拘束を緩めると、途端かくんと膝を折ってその場にAは踞る
慌ててブラドがそれを支えるも詰めていた息が一気に酸素を取り込めるようになったからかゴホゴホと数度噎せるとAはくらりとブラドにもたれかかるように倒れ込んだ
「氷叢！」
「はっ、はっ……も、ねむ……」
「ねむ？」
目尻に僅かに涙をためて言葉言い切らぬ内にAは限界だとでも言うようにふっと意識が途切れてしまいブラドに全体重を預けてしまう
先までの警戒心はどこにいったのやら、無防備に自身を捧げる姿に呆れともとれるため息が漏れる
それ程までに自分たちを信じきってくれているのかどうなのか
「……寝た」
「寝たな」
ブラドの言葉に相澤は肯定を込めて返す
呆れを多めに含んだため息が零され、そのままガシガシと頭を搔く姿横目に一先ず訓練は終わりだと捕縛布を定位置に戻す
「……ま、見れたから良しとするか。確かにいそうだな」
「あぁ、そうだな」
トータル4時間近くぶっ通しでプロ2人と追いかけっこをしたのだ。疲れきって倒れても仕方ないかとブラドは軽々Aを横抱きにするとその場に立ち上がる
収穫はあった
「獣だな、あれは」
何かいる、その何かは野性的感覚のみなのか
Aの中に個体として存在してるのか
そこまでは断定できなかった
しかし、そこの制御を学ばせるべきだと
プロの見解は一致していたのであった
．
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みけいぬこ(プロフ) - 早桃さん» ありがとうございますっ！！更新強化していこうと思ってて他の作品とは少し違う視点でいこうと思うのであたたかく見守っていただけますと嬉しいです！ (2023年1月29日 11時) (
レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - やばいめっちゃ好きです！！大好きです！これからも無理せずに更新頑張って下さい！応援してますぅぅぅ！ (2023年1月29日 10時) (レス) @page48 id: 363e501944 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - 千椛さん» コメントありがとうございます！ここを楽しみにしてくれてる人がいて喜びに震えております！頑張ります！ (2022年12月7日 11時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
千椛(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！！ (2022年12月6日 22時) (レス) @page31 id: f9704de043 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - 月の光さん» コメントありがとうございます！魔ってました( º^º; )修正致しました！ご指摘ありがとうございます！氷叢くんいつか混沌に巻き込まれていくのですがなるべく穏やかにがんばっていきます(*`･ω･)ゞ (2022年10月4日 22時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年10月3日 18時
