13 ページ23
「かなり消耗したんじゃないか？」
「だろうな、かれこれ3時間動きっぱなしだ」
辺りの阿鼻叫喚以外、何も聞こえない
耳を澄ましても気配を探ってもAらしい動きが感じられない事に、ブラドは我が事のように嬉しく思う
「まるで野生動物だな、完全に気配を消してる。足音一つしない」
「常時発動型の雪豹、出てきたな」
「ああ」
冷静に場を読む相澤の言葉にブラドは操血を手繰り少し先の茂みを適当に揺らしてみる。それでも何か動く気配はしなかった
理性を超えた先、氷叢くんの中に何かあるにゃ。それを引きずり出してみるのがいいにゃ。あの子はもう個性の扱いには充分長けてる。操雪の方は、ね
操雪
その名の通り、雪を操る個性
Aの個性登録は雪豹である
それは見た目が物語っているのと雪が氷を連想させそれを生み出せる事も加味しての事だろう
だが正確にAの個性に名をつけるのなら雪豹では言葉足らず
「雪を操る豹」
「こうもきれいに両親それぞれの個性を継ぐのも珍しいな。混ざり合うというか2つの個性持ちみたいなものだぞ」
相澤の言葉にブラドは呆れ混じりにそう言葉を漏らす。A組の轟の複合型とは少しAのものは事なる。異形型と発動型、それぞれをその身に宿しているのだ
ラグドール曰く、Aは操雪の方はかなり鍛錬されているようで特に今どうこうはないらしい
轟と違い体質的に寒さ耐性が強いこともあり発動のしすぎで体が凍るということはなさそうとのこと
「常時発動してる雪豹…こっちは何かあるにゃん。あの子の中に、いるよ」
いる、そう形容したラグドールは楽しそうなけれどどこか怖々としたそんな複雑な表情だった
限界まで体力をすり減らして限界に追い込む
その時に出てくるAの本質
もしくは内にいるという何か
それを引きずり出してやろうということで
プロ2人に襲われてる状態なのであった
我ーズブートキャンプにいた方がまだましだったかもしれない
瞳孔を開かせ極限まで息を潜め、Aは物陰に隠れそっと鼻を鳴らす。覚えている匂いを辿り敵との距離を測る
敵、とは誰の事だっただろう……
何から逃げているのだっただろう……
酸素が脳に回りきっていない
潜めていても呼吸は整い切れていなくて息苦しい
でも見つかるわけにはいかない
＿＿見つかったら待っているのは、、、
そんな声が脳に響く
そんな事ありはしないと即座に否定したいのに
ふわりふわりと脳が揺れて
Aの視界は明滅した
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 224人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みけいぬこ(プロフ) - 早桃さん» ありがとうございますっ！！更新強化していこうと思ってて他の作品とは少し違う視点でいこうと思うのであたたかく見守っていただけますと嬉しいです！ (2023年1月29日 11時) (
レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - やばいめっちゃ好きです！！大好きです！これからも無理せずに更新頑張って下さい！応援してますぅぅぅ！ (2023年1月29日 10時) (レス) @page48 id: 363e501944 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - 千椛さん» コメントありがとうございます！ここを楽しみにしてくれてる人がいて喜びに震えております！頑張ります！ (2022年12月7日 11時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
千椛(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！！ (2022年12月6日 22時) (レス) @page31 id: f9704de043 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - 月の光さん» コメントありがとうございます！魔ってました( º^º; )修正致しました！ご指摘ありがとうございます！氷叢くんいつか混沌に巻き込まれていくのですがなるべく穏やかにがんばっていきます(*`･ω･)ゞ (2022年10月4日 22時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年10月3日 18時
