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《ザザ…すまない、少し外に漏れてしまった。影響はどうだい？》
「少し揺れたくらいです。問題ないかと」
«それで、何があったんですか？»
独特の機械音を鳴らし2人を乗せたエレベーターが地下深くに降りていく3.4階分ではないその稼働長さに驚く人はいない
《ザザ…突然の事で私も把握しかねているんだけどね、》
チン…と到着を伝える音と足元がようやく地に着くような感覚
その少し前から肌を刺すような寒さが2人を包む
扉が中々開かずギギギと何かに妨害されている音が聞こえる
«ジーニストさん»
「私がしよう。少し下がっていたまえ」
着く少し前から交差していた両手から細い繊維を紡ぎ根津の声を片耳にジーニストは扉の僅かな隙間に糸をたぐらせ無理矢理に開かせた
《今そこは、一面の氷だよ。医療チームの避難を頼む。奥に彼はいる》
«火じゃないなら、俺も動けます»
見えた白い世界に2人は慎重に歩を進めた
文字通り氷を張った静けさの中
鈍色の卵に背を預けていた少年は感じた僅かな動きに
閉じていた瞳をゆっくりと開く
僅かに寒さにか痛みにか苦悶の呻きをあげる声と虫が這い蹲る様な動きを見つめるその目は人形のように冷たくしかしその奥には荒々しい激情が内包しているかのように鈍く赤く光を灯していた
彼を中心に外側に向かって鋭利さを伴って聳える氷柱
その隙間から僅かに人の動きが見えた
ギュルルルル！
「……」
何かを巻きとるような音が聞こえ瞬時に正面の氷塊が粉々に砕け散った
天井の明かりに照らされダイヤモンドダストのように粒子となった氷が舞う
それを綺麗と呼べるのか、と少年は少し考えた
その答えを欲してはいない
仮に綺麗だと言われても、少年の瞳に映る全てはそうではない
「……きた」
だから、ゆっくりこちらに歩いてくる人影達にも
抱く言葉はあるが心が動きはしない
懐かしさ、嬉しさ、喜び、待ちわびた
それであってそうでない
「………」
互いを視認でき程よい間合いで立ち止まった青を身にまとった男、そして今は見えないが赤を背負う見知った2人がそこにいた
あの二人は、どういう言葉を望んでいるだろう
その願いを、どうぶち壊してやろうか
少年は目覚めてはじめての高揚に口角を上げた
．
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みけいぬこ(プロフ) - mikittyさん» ありがとうございます！ (2022年9月30日 7時) (
レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新お疲れ様です！ (2022年9月29日 14時) (レス) @page45 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - さきさん» わわわっ！なんという休日の使い方！嬉し申し訳なし<(_ _*)>でもありがとうございます！とても嬉しいですっ気づけばもう12…まだ続きますので更新頑張っていきます！ (2022年9月27日 7時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - ガチで一気読みしました！！！！！！休日一日費やした。面白くてやばいです（？）語彙力失うくらい。更新待ってます！！ (2022年9月26日 22時) (レス) @page37 id: 9fc0d0edba (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - 彩都さん» コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいコメントꉂ( ˃ ⌑ ˂ഃ )日本語おかしくて嘆いてる私に優しい言葉嬉しいです！早足で終わらせた気が否めませんが…黒くん編行きたいと思います！目指せハピエン！( ߹ ^ ߹ ) (2022年9月22日 19時) (レス) @page29 id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年9月13日 14時
