16 ページ17
「俺は！！烈怒頼雄斗！！俺の後ろに血はァ流れねぇ！！！」
熱さも痛みも感じなくなるほどに硬く硬化した身体でギガントマキアを登りきりその口元に睡眠薬を投げ入れることに成功した切島
ちらりと見えた敵連合からの攻撃をどう避けようかと思った矢先に両腕を何かに拘束されそのまま宙を舞う
「烈怒頼雄斗！」
「！……リザーティ！」
それが味方であるB組の取陰だと気づいた時には下方からの援護射撃の砲弾の音がすぐ耳元で響いていた
「烈怒頼雄斗が飲ませたぞ！切島がやったぞ！！」
「よくやったよ…切島！」
「あぁ……」
取陰の緊迫した中にどこか安堵が感じられる声を聞いてやっとやり遂げたのか、と切島は実感した。しかし、息つく暇もなく
「リザーティ！頼む！前進してくれっ！！」
「はぁ？！何言ってんの！無理だよ！」
「頼む！俺だけ投げ落としてくれてもいい！頼むよ！」
「バカいってんじゃないよ！死ぬ気か！？」
空中でじたばたと暴れるも火事場の馬鹿力なのか一向に取陰の腕は外れなかった
「くそっ…頼む！いたんだよ……！Aがあそこにいたんだっ！！」
「！！？……そ、それでも…ダメなもんはダメだよ！」
一瞬だったが切島は見間違うはずがなかった
いつも見ていたのだ
小柄で白い髪を揺らしていたあの無垢な背中を
吸い込まれるような澄んだ赤が濁りその瞳を涙で濡らして苦しんでいた
「本当だった……ミッドナイトの言う通り…あそこに！Aがいたんだよっ！！」
「っ……」
漢の涙を流して切島は拳を握る
少し先でマジェスティックらプロヒーローが構えている姿が見て取れた
「私たちの出番はここまでだ……っ後はプロに任せるんだよっ……！」
「ぐ、そ……ォっ……！」
不甲斐ないと硬化した腕を自身の太腿に叩きつける
ガキィンと甲高い音が何度も取陰の耳に届く
轟音がどんどん離れていく
その強大さに為す術なく取陰は皆の集まる所へ戻るのであった
＿＿＿・ ・ ・
「……障子、ヒーロー達は」
「遠過ぎる、確認できない」
残ったのは抉れ地表が顕になった森だった荒れ果てた姿と
天災をなんとか乗り切り命をつなぎとめたヒーロー達の呻き声だけだった
遠くで更なる轟音と罪なき人々の悲鳴が鳴り止まない
「オイラたちの決断と行動は……本当に正しかったのかな……」
峰田の言葉がその場にいる全員の
胸に刺さった
．"
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 181人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みけいぬこ(プロフ) - mikittyさん» ありがとうございます！ (2022年9月30日 7時) (
レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新お疲れ様です！ (2022年9月29日 14時) (レス) @page45 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - さきさん» わわわっ！なんという休日の使い方！嬉し申し訳なし<(_ _*)>でもありがとうございます！とても嬉しいですっ気づけばもう12…まだ続きますので更新頑張っていきます！ (2022年9月27日 7時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - ガチで一気読みしました！！！！！！休日一日費やした。面白くてやばいです（？）語彙力失うくらい。更新待ってます！！ (2022年9月26日 22時) (レス) @page37 id: 9fc0d0edba (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - 彩都さん» コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいコメントꉂ( ˃ ⌑ ˂ഃ )日本語おかしくて嘆いてる私に優しい言葉嬉しいです！早足で終わらせた気が否めませんが…黒くん編行きたいと思います！目指せハピエン！( ߹ ^ ߹ ) (2022年9月22日 19時) (レス) @page29 id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年9月13日 14時
