19 ページ47
「とりあえず、はじめましてかな？エンデヴァー」
目が霞み、傷で息が荒くなる中なんとか臨戦態勢をとるエンデヴァー
「お前がいるとは聞いてねぇ」
「あの……スナッチを殺害したそうだな……敵連合、荼毘！」
途端辺りを覆う青い炎
その熱に頬から汗が一筋流れる
＿＿…
「っ……」
「A？！」
ガク…とその場に座り込むAに駆け寄る相澤
玉のような汗を額にいくつも浮かばせ荒く息を吐く姿に心臓が嫌に脈動する
«エンデヴァー！！立っています！スタンディング！
勝利の！！いえ、始まりの！スタンディングですっ！！»
背後からそんな大歓声が聞こえるものの今はAの方が心配で仕方ない。Aの背を支えしゃがむ爆豪は自分よりは冷静なようにみえる。そちらを見つめると爆豪と目が合う
「爆豪…」
何故止めなかった…そう言外に言葉を滲ませる
しかしそれに対する返事はなにもない
「だい、っは…じょうぶ……はっ…はっ…」
「A……！」
きゅっと弱々しく握り返された手をさらに強く握り返す
呼吸は荒いものの意識はハッキリしているようで相澤を見つめ歪に笑顔を作ってみせる
その姿に、言いようのない気持ちが相澤を締めつける
「お、おい…大丈夫か？A…」
「今、個性を……」
テレビの向こうの実状か目の前のことか…どちらを心配すればいいのかと代弁として切島と緑谷が声を上げる
画面の向こうでは敵連合の荼毘が現れる再びのピンチに
こちらでは突然の光とAの体調不良
これがもし漫画であれば「この先一体どうなる！？次回！！」みたいな事になるんじゃないの？！などと考えてるのは上鳴だけである。閑話休題。
「はっ……がんばれってしたくて………おうえん……」
「！お前…」
「まだ、ちゃんと身守れる、よ……」
置かれてる状況が違うだろ…と思わず呆れやら怒りやらをぶつけそうになった相澤だが諸々全て押し留めて大きな息を吐き出すだけになんとかすませる
言いたいことは泉のように湧いて出てくるがひとまずはと背中を抱き寄せ己の肩口に凭れさせる
抵抗することなくもたれかかってきたAは意識はあるもののぐったりした様子で身体を相澤に任せる
「ふぅ……ひとまずお前らは変に騒ぎ立てず部屋に戻れ」
「相澤先生は…っ！」
「こいつをひとまず休ませてやる。話もしたいしな」
軽々とAを抱き上げ相澤は視線ひとつ爆豪に向ける
言葉はない
けれど、来るなとも言わなかった
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 322人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みけいぬこ(プロフ) - さやかさん» ありがとうございます！楽しみにしてもらえてるのが励みになります！更新していきますねー(●´ω｀●) (2022年7月18日 8時) (
レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
さやか(プロフ) - 毎回楽しく読ませていただいてます！これからも楽しみにしてます。 (2022年7月14日 15時) (レス) id: d179a9363a (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - mikittyさん» 私はコメントが活力になってます( *¯ ꒳¯*) (2022年7月7日 17時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - みけいぬこさん» 更新が1日の楽しみになるくらいに、楽しませてもらっています！ (2022年7月5日 17時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - mikittyさん» ありがとうございます！楽しんでもらえてますでしょうか｀・ω・ (2022年7月5日 16時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年6月24日 9時
