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キーンコーンカーンコーン……
｢あれ？爆豪は？｣
｢Aもいねぇぞ｣
｢……｣
翌朝、始業のチャイムが鳴っても埋まらない空席かふたつ
瀬呂と轟の言葉に教室内がざわめくも前の扉が開かれ相澤が入ってくるものだから一気に静かになる
｢今日も張りきっていきましょー、以上｣
力も覇気もないゆるい言葉が投げかけられものの数秒でHRが終わろうとしている
｢先生っ！爆豪とAがまだ来てないっす！｣
｢2人で寝てんじゃね？あいつら一緒に寝てんだろ？｣
｢！！うらやま…っ｣
｢峰田は黙ろーなー｣
切島の声を皮切りにざわざわとする教室
空席を相澤は暫く見つめると静かにこう言った
｢あいつらはいいんだ、今日は気にすんな｣
相澤には珍しい曖昧なその言葉
その裏の意味をはたして何人が汲み取ったであろう
｢おい、緑谷。爆豪に先越されていいのかよ！｣
｢……｣
後ろから峰田にそう声をかけられるも
良い悪いの話ではない
｢……かっちゃんには、適わないから｣
｢！！おま、え…｣
粗暴なイメージのある幼なじみ
その実中々に繊細で守ると決めたらとことんな男である
誰の目から見てもAの事を大切にそして守っている姿は明らかだろう
そんな彼に適うわけがない
むしろ、彼しかいないだろう
悲しみに暮れてる彼を救いあげられる人なんて
｢……緑谷、俺の秘蔵のDVD貸してやるからな｣
｢……え、あ…ありがとう？｣
何故か肩を数度優しく叩かれ同情されてる様な感じに緑谷は首を傾げるのだった
＿＿…
｢じーにぃ…｣
｢……｣
自室のベッドで鼻を啜りその無垢な真紅の瞳を涙で濡らすA。起きてしばらく、寝ぼけ眼がゆっくり覚醒したかと思えばすぐに目から涙が零れさっきから同じ言葉を壊れたレコードのように呟いている
それをしばらく眺めていたが、今は辺りを見回しその存在を探している
｢じーにぃ…｣
｢いねぇよ、｣
そう言葉を返せばようやく自分に向けられた瞳
悲しみに揺らぎ、すぐに首を横に振る
その様子に、爆豪は遠慮するのをやめた
｢現実みろ、A。あいつは今いねぇんだ｣
｢やだ…じーにぃに、会いたい…｣
｢会ってどうする。泣きついてしがみついてもう離れねェってか。それとも傷を治してやるとか思っとンか｣
曖昧に耳心地のいい言葉を並べてやるのが優しさだとは思わない
今のAに必要なのはそんな真綿のような支えじゃない
．
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みけいぬこ(プロフ) - さやかさん» ありがとうございます！楽しみにしてもらえてるのが励みになります！更新していきますねー(●´ω｀●) (2022年7月18日 8時) (
レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
さやか(プロフ) - 毎回楽しく読ませていただいてます！これからも楽しみにしてます。 (2022年7月14日 15時) (レス) id: d179a9363a (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - mikittyさん» 私はコメントが活力になってます( *¯ ꒳¯*) (2022年7月7日 17時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - みけいぬこさん» 更新が1日の楽しみになるくらいに、楽しませてもらっています！ (2022年7月5日 17時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - mikittyさん» ありがとうございます！楽しんでもらえてますでしょうか｀・ω・ (2022年7月5日 16時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年6月24日 9時
