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｢んー……｣
｢……｣
黒のベッドシーツの上を白い竜がころころと転げ回っている。器用に空いてるスペースを転がる様子に黙って寝たフリをしていた爆豪はかれこれ数十分繰り返されるその行動についに堪忍袋の緒が切れる
｢っだー！もううぜぇ！寝ろっ！！｣
｢きょうはなんでかねむくない！｣
｢ガキかっ！！｣
遠足前楽しみすぎて眠れない、まさにそんな感じのA。時刻はもう23:30、いつもならすぴすぴ寝息を立てている頃だというのに無垢な真紅の瞳をパッチリあけてこちらを見上げてくる双眸に爆豪ははぁとため息をついた
｢じろーのおうたすき、はやくききたい｣
｢寝て起きたら聞けンだろ、はよ寝ろや｣
｢ぶーすの音もかっこいい、やおよろのぴあのもすき｣
｢ぶーすじゃなくてベースだ、アホ｣
｢でもばくごーのたいこが1番好き！たのしい！｣
｢……ドラムって言え｣
ツッコミどころ満載なAの言葉に返しつつ、仰向けから横向きになり片腕で頭を支えるような体勢になる。視線の先では興奮してる様子のAが歌を口ずさみながら覚えたダンスを踊る。仔竜がダンスをしてる風景というのは何かの儀式をしているかのようでふっとこっそり笑う。そんな事気づいてないようで楽しそうにくるくる回る
｢ここで……バッってしなくていいの？｣
｢いいんだよ。ンなことしなくて。また攫われンぞ｣
｢じゃあこの時ばくごーの所に行ってもいい？｣
そう言って踊るのをやめて爆豪の傍にくるりとまるまる。寄り添ってくることでほのかに高い体温が爆豪に伝わる
｢なんでくんだ｣
｢……その後のしんばるたたきたいなって。ずっとばくごーとはなれてるのさみしい｣
スリと寄ってくる姿。他の人がこれをしようものなら寄るな触るなと一喝して舌打ちをお見舞するのだろうことAにされてもそうは思わない。Aの生い立ちを知りAを知ってるからこそこうやって傍に来てくれることは嬉しいと思う。信頼されてる頼られてる必要とされている、そう思う
｢……叩くンならそのしっぽでやれ。弱ェ音出したらシバく｣
｢…あい｣
｢七不思議だの幸せを呼ぶだの言って追い回すヤツらに見せつけろ。てめェらの玩具じゃねえってな｣
｢…ぁ、い…スー｣
爆豪の胸元に顔を埋めさっきの興奮はどこへやら秒速で眠りに落ちていった仔竜を眺め、爆豪はまたため息をこぼす
そう、見せつけろ
誰の幸せに手を出そうとしてるのかを
｢…ぜってェぶっ殺してやる｣
．
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みけいぬこ(プロフ) - さやかさん» ありがとうございます！楽しみにしてもらえてるのが励みになります！更新していきますねー(●´ω｀●) (2022年7月18日 8時) (
レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
さやか(プロフ) - 毎回楽しく読ませていただいてます！これからも楽しみにしてます。 (2022年7月14日 15時) (レス) id: d179a9363a (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - mikittyさん» 私はコメントが活力になってます( *¯ ꒳¯*) (2022年7月7日 17時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - みけいぬこさん» 更新が1日の楽しみになるくらいに、楽しませてもらっています！ (2022年7月5日 17時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - mikittyさん» ありがとうございます！楽しんでもらえてますでしょうか｀・ω・ (2022年7月5日 16時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年6月24日 9時
