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「おい、ただの個性を発現した子供を傷つけた。これはやばいんじゃないのか」
「あれは不可抗力だ…わざとじゃない。これで罰せられるとか冗談じゃない」
「なんで母親が気づかない、おかしいだろ」
はじめて家以外の部屋で目を覚ました
知らない大人達が何かを話す
「あんな錯乱しきった女に子供の面倒がみれるはずない、あれは虐待だ」
「そうだ、あの傷もあの女がつけた」
「あの子は虐待を受けていた、これからのため俺たちがどうにかしてあげなきゃ」
「ではまずは個性の検査をしてあげなくては。私に任せてくれませんか」
「おお身藤先生なら安心ですな。あの子のメンタルケアもお願いします」
「その後は施設に連れていきます。諸々の手続きも私がやりますのでご安心ください」
少年の前に眼鏡をかけた男が歩み寄る
「はじめまして、夢想寺Aくん。私の名前は身藤動。君の個性を正しく使えるようにするよ。これ以上お母さんを困らせなくはないだろう」
「おかあ、さん…」
「君のその個性、何ができるのか興味があるんだ」
僕がいるとお母さんが困る
化け物だから離れなくちゃいけない
そう教えてもらった、悲しいけどそれでお母さんが元気になるなら
そう、思って手を取った
それから……ずっと世界は真っ暗だった
何日も何日も暗くて寒くて痛くて怖かった
たくさん耐えて耐えてそれでも痛くて怖くて
たくさん泣いた
声が枯れるくらい叫んだ
困らせちゃうからお母さんとは呼べなくて
誰に助けを求めればいいのか分からなかった
「…」
ははなるだいちからうまれおちたその竜は
みぎもひだりもわからず1人では生きていけません
すると、その村にすむしょうねんが
竜をみつけやさしくだきあげました
こわくないよと少年はいい村につれかえります
村人はみな竜をやさしくうけいれ
だいじに、だいじにそだてました
「だれ、か…」
ぼくはここだよ
だれか、ぼくをみつけて
大好きだったあの絵本
あの白い竜はやっぱり羨ましかった
見つけてもらえて
たくさんの人に愛されて
いつも笑顔で
白い竜になったら、いつか
誰かが見つけてくれる、かな…
それを最後に少年の記憶は真っ暗闇に包まれた
実験の負荷に耐えられず脳が考えることをやめた
脳にチップを埋め込まれ求められるまま
言われるがままの人形に
これは、遠い昔の記憶
誰も知らない白い竜の夢の話
．
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みけいぬこ(プロフ) - 甘党なタワシさん» コメントありがとうございます！伏線( ˊᵕˋ ;)どう回収しようかと汗汗してます！楽しみにしていただけるの本当に励みになります♡頑張りますっ (2022年4月28日 0時) (
レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
甘党なタワシ(プロフ) - 日頃素敵な作品を拝見させて頂いております。思わぬ伏線回収に心打たれましたありがとうございます。保護者組がどんどん増えてやり取りが可愛いです、更新楽しみにしております！ (2022年4月27日 22時) (レス) @page10 id: 8642bb6031 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年4月26日 9時
