【血界戦線】好奇心に従順に(２)【東京喰種】

４２−３ ページ27

｢話を纏めようか｣


スティーブンさんは、元居た机まで戻り、皆を見回す
そして、全員が意識を向けているのを確認してから話し始めた


｢＜異界喰らい＞が人間も喰うのは確定だ。そして、恐らく異界人よりも人間の方が価値がある、或いは“美味い”のだろう。｣
｢最初の犯行でその事に気付き、次からの犯行は人間に対して丁寧に処理している。文字通り、血の一滴、骨の髄までしゃぶりたいんだろうな。｣

｢やぁーね...悪趣味よ...｣
｢...｣


女性陣があからさまに嫌な顔をする


｢そして、さっきの騒動だ｣
｢食い荒らされた残骸の近くには、どれも人間(ヒューマー)と思われる足跡があった｣


ドクン、と僕の心臓が脈打つ


｢興奮したのか、時間が無かったのか...｣
｢今回は豪快にかぶりついたらしく、人間(ヒューマー)らしきサイズの歯形も確認されている｣


繋がって欲しくないピースが、どんどん形を成していく


｢少年。心当たり、あるかい？｣


ぎゅっと、ズボンを握り
不完全で、それでも明らかに形を見せてきている、あの人の姿を思い浮かべる


｢服が...｣

｢？｣

｢服が...変わってたんです...｣
｢あの...後...一緒にご飯を食べた、後に...｣


ゴクリと唾をのむ
そして、今迄ぼんやりと引っかかっていたことの輪郭を明らかにしていく


｢Aさん、いつもコーヒーしか飲んでなくて、か弱いって言いながら、本当はめっちゃ強くて｣
｢それで！...さっきは、裸足で駆けつけてくれて...怪我をしている様子は無かったんですが...口元は、...血が...付いていました｣


僕は言葉を発しながら、だんだん俯いてしまった

...
......


｢レオナルド君、君の言う先輩は、＜異界喰らい＞の可能性が非常に高い｣


ずっと沈黙していたクラウスさんが口を開く


｢可能性が高いというだけで、まだ確証には至っていない｣
｢君の＜神々の義眼＞(その眼)で確かめて欲しい｣

｢ッ!!、〜〜っ!!｣

｢少年...｣

｢っ〜〜〜!!、はい!!｣

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