双黒の双子の姉は転生した。 (ページ9)

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9、「嗚呼、うん。助けてもらったよ。」ページ9

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「そこのお兄さん、ここで何をしているんで？」

言葉を発した人は逆光で顔が見えない。

否、言葉を発した人の周りにいる人達もか。

少しこもったような声をしているから

マスクでも付けているのかな。男の人だね。

其れにしても、気分が悪い。早く離し給え。

嗚呼、扶けてくれるのは有難いけど

男と話していないで早く

この腕から解放してくれないかい。

……ねェ、(名前1)の重力操作で

この男を潰してくれないかい。

この男が視野に入ることも否なのだよ。

だったら、血を見た方がマシだよ。

あ、この男を潰して腕から抜け出すってのが

1番簡単な抜け出し方だったよ。

何で気が付かなかったんだろう。

そんなことを脳内で考えていたら

いつの間にか男の腕から開放されたらしい。

扶けてくれた男の人達が目の前に来た。

「大丈夫でしたか」

……おや、終わったとばかりに帰るのかと

思っていたのだけれど。

「……うん。大丈夫」

「貴方達が扶けてくれたからね」

「それは良かった。家まで送りましょうか？」

「それは大丈夫」

「10分程度で着く筈だから」

「そうですか。気をつけて帰ってくださいね」

｢｢扶けてくれて有難う｣｣

────────

「(名前2)」

「何だい？」

「あの男、今何処かで死んだわ」

「あ、そうなの？」

「手前の考え通りだろ」

「良くわかったね」

「手前の相棒だからな」

「それもそうだ」

────────

「うぉ、死んだ」

「いきなりだな」

「食べて良い……？」

「死んだ奴食うのは駄目だろ」

「オーバーホール、さっきの奴死んじまいやしたぜ」

「放置しておけ。さっきの子供のどっちかの個性だろ

帰るぞ」

ｸﾞｼｬｧというかﾊﾟｧﾝというか、

潰れたというか破裂したというか。

まぁ、いきなり死んだ男を見て

さっきの2人のどっちかの個性に感心した。