双黒の双子の姉は転生した。 (ページ12)

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12、「私の方でも問題が起こったんだよ。」ページ12

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「……嗚呼、(名前1)の口から血が。此れ以上は危ない。

離せ、離し給え！

何が『危ないから行かない方が良い』だ

先刻も言ったが、扶けられるのは私だけだ！」

あの子は今、子供だ。

あの体にこれ以上負担を掛けたら

其れこそ死んでしまう。

だから、早く、早く、扶けなくてはならない。

「お嬢ちゃん、落ち着け」

「何をどう落ち着けと？
否、私は誰よりも落ち着いている。

私の個性を使わないと危ないと分かっているから、どうやってあの子の後ろに行くかを考えるくらいには落ち着いている。
あの子が怖くて何も出来ない大人より、あの子をバケモノ呼びする大人より、あの子の攻撃を避けるだけで避難した住民の方にどんどん近づいてくる平和の象徴より、私はあの子をあの状態から扶ける方法を知っている。

とりあえず私は誰よりも落ち着いている。」

「oh......それは本当に落ち着いてるって言えるのか、Little girl？」

「云えるよ。

それにしても……お兄さん達、誰だい」

「見習いヒーロー」「なりたてヒーロー」

ふぅん。ヒーローねぇ……。

金髪さんはスピーカーが首元に有るから声に関係する個性なのかな？
大声出したら相手の鼓膜破れそうになるとか。

黒髪さんは首元の何かで捕まえたりするのかな。
でも先刻から自分の目を気にしているようだから、
目に関係する個性だろうか？

まぁ、良いかな。

気になるっていえば気になるから、聞いてみよう。

「嗚呼、聞いても良いかな。

お兄さん達の個性、教えてくれるかい」

「俺は『抹消』」「俺は『ヴォイス』だぜ」

「……抹消にヴォイス。

そう。……なら、どっちかのヒーローに手伝って欲しい事が有るんだけど。
私をあの子の後ろに遣ってくれないかい。
金髪さんなら、ぽーいって私を投げてくれ。
黒髪さんなら、その首元の何かで私を投げてくれ。
うん、とりあえずあの子の後ろへ。」