運命で_bspn ページ29
ガチャン、と力強くドアを閉める。日々の鬱憤を晴らすように怒りを込めた音は、壁の薄いボロアパートでは隣に住んでいる彼にまで聞こえてしまいそうだ。
……最近、自分が変だ。
仕事のしすぎで可笑しくなってしまったのか、それともただ愛に飢えすぎたのか。
彼の愛嬌のある笑顔、緩やかなシャツから覗く白い餅のような肌を思い出して頬が熱くなる。
男に、恋をしてしまった。
＿コンビニから近いから、という理由だけで適当に選んだアパート。ひとまずお隣さんへの挨拶をしようと、外の寒さにため息をつきながら押したインターホン。中からはーい、と男性らしき声が聞こえて、少し落胆する。
せっかくなら美女がよかったなぁ。彼女に振られてからというもの、出会いが全くないから。
楽しくない仕事も給料なんてほんの少しで、もうやめてしまいたい。豆腐を貪り食う生活なんてもう御免だ。
ぼー、として隣人の応答を待っていると、中からかなり大きな音でカラカラと缶の転がるような音が聞こえて、それからあぁ〜、と焦った声が聞こえる。
……何やってんだよ、こっちはさみぃんだよ。
はぁ、と2度目のため息をついて白い息を吐いた瞬間、目の前の扉が音を立てて開いた。
｢隣に越してきた石橋で……す｣
告げた言葉は、出てきた男を見て途中で詰まった。
見たこともない蜂蜜のような黄色い瞳をした彼は、茶髪の跳ねている前髪を黄色い花が付いた女児が付けるようなゴムで雑に結んでいる。
ハーフなのかと思ったが、そんな事はなさそうだ。
着ている服はグレーのヨレヨレになったTシャツで、下はくたびれたジャージを履いている。
んふっ、と思わず漏れた笑いは見逃して欲しい。これでも頑張って堪えたのだ。これから薄い壁を隔てた隣で過ごすことになる人に失礼な態度なんてとる訳には行かない。
｢あぁ、すみません｣
こんな格好で、と笑う彼。
扉越しではくぐもっていたが、今ははっきり聞こえる彼の声はしゃがれている。先程の缶の音からして、よく酒を飲む人なのだろう。
酒焼けをしているがどこか子供っぽい彼の声には、不思議と惹かれるものがある。
ダサい服装にダサいゴムという強烈な組み合わせがツボに入ってしまって口角が上がるのが止まらない。
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Tanuki - うわぁああああ(感動)ありがとうございます！！！prnyの尊さを感じました………！お忙しい中書いてくれてありがとうございます！これからも頑張ってください！！応援してます！ (2021年3月2日 0時) (
レス) id: a53287ca57 (このIDを非表示/違反報告)
ぴゅらﾟ(プロフ) - sdさん» リクエスト頂いたprny、完成しました……！！言い訳になりますが、多忙でして遅くなってしまいました…… (2021年3月1日 21時) (レス) id: 7966f1cb63 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ@性癖の王女(プロフ) - ぴゅらﾟさん» リクエスト書いてもらってありがとうございます！pnくんもdさんも可愛い…。私も遅くなっても構いませんのでと言いましたので全然大丈夫ですよ！これからも無理せず頑張ってください！ (2021年2月25日 3時) (レス) id: 5759211c89 (このIDを非表示/違反報告)
ぴゅらﾟ(プロフ) - あはははさん» Twitter、アカウントは一応あるんですが息してないですね……何か機会があれば動かそうと思っています！ (2021年2月24日 21時) (レス) id: 7966f1cb63 (このIDを非表示/違反報告)
ぴゅらﾟ(プロフ) - めぐ@性癖の王女さん» リクエスト頂いたnypn+ctd、完成しました……！！本当に本当にお待たせしてしまい申し訳ございません…… (2021年2月24日 21時) (レス) id: 7966f1cb63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴゅらﾟ | 作成日時：2020年12月29日 14時
