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あれから少しして落ち着きを取り戻したお父様は、私に「外に出るな」と繰り返し言い聞かせた後、覚束無い足取りで座敷から出て行った。
ひとりになった座敷の中、私はお母様のことを思い出していた。
お母様、
容姿端麗、学業優秀だったお母様は王族ーーお父様の元に嫁ぎ、お父様と共に華月国の政治を進めた。
ーー明るく美しい、優しい女性だった。
けれど、お母様にはひとつ問題があって。
お母様は、酷く身体が弱かった。
普通の人ならどうってことない風邪でも、大病を患ったかのように長引き、苦しんで。
そして、私が五歳の頃。
風邪を拗らせ、眠るようにーー亡くなってしまった。
それからだ、お父様がおかしくなってしまったのは。
私の身を案じ「過ぎる」ようになった。
少し外に出れば「病気を患ったらどうするんだ」。
少し活発に動けば「怪我をしたらどうするんだ」。
まるで私にお母様を重ねているかのように。
ついに、六歳の頃には外出禁止になってしまった。
(城の外なんて、もう十数年も出てない)
ずっと前に見た、城の塀に囲われていない青空を思う。
城の外の記憶は、既に曖昧だった。
(……でも、ひとつだけ覚えてる)
そう、覚えている。
ーー桜の下で出会った、大切な友達の記憶。
指切りを交わした、「秘密の約束」を。
約束の内容は曖昧だけれど。
何かを契った事実だけは、確かに私の胸にある。
「元気かな……」
遠くで生きているであろう「彼ら」を思いながら、開いたままだった縁側と座敷を仕切る障子を閉める。
こんな風に、私と彼らの関係も、お父様によって断ち切られてしまった。
もう会えないことは分かってる。
もう話せないことも分かってる。
それでも、思いを馳せずにはいられないのだ。
遠い日の、親友の姿を。
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ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます! (2020年7月11日 23時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
あういえお - ぐへへ...((え、すげー...みんな言葉使いが...おしとやか...(?) (2019年7月25日 14時) (レス) id: 473868f78a (このIDを非表示/違反報告)
もうふ - きゃぁぁぁぁ(( 好き。(笑) (2019年7月23日 22時) (レス) id: bc132d7752 (このIDを非表示/違反報告)
狐 - 続きがきになる・・・更新頑張ってください! (2019年7月22日 20時) (レス) id: 7ea13ff707 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - すんばらしい!更新頑張ってくださいねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! (2019年7月22日 14時) (レス) id: 473868f78a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星奈 ふゆ | 作成日時:2019年7月21日 16時